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秘書の恋
【OL/お姉さん 官能小説】

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社長と秘書の、とある夜の秘め事-1

「もうっ…」

松本梨絵(まつもとりえ)、31歳。
ある会社の秘書課で働いている。
美人で有能で、誰からも好かれるような人。
そんな彼女は今日はやけ酒。

そして隣にいるのは…

「何、怒ってんだよ…」

その会社の社長、金澤雪人(かなざわゆきひと)。
松本と社長は高校時代の同級生であり、松本が入社してからはセックスをすることもあった。
今では悪友であるが。

「知らないわよ…」

「珍しいな…
お前がここまで飲むなんて。
何があったんだ、言ってみろよ」

(言えるわけない…)

そんなことを松本は思った。
怒っている理由は…

松本と付き合っている秘書課の真鍋隆(まなべたかし)が、別の課の−−しかも明らかに真鍋に対して好意を持つ女子社員に『彼女いるんですか?』と聞かれて『彼女はいない』と答えたから。
別に内緒にしているわけではないが、友人の社長でさえ知らない事実。
やはりいまさら、言いにくいというのがある。

「あたしもさー、人並に怒ったり傷ついたりするんだなぁと思って…」

「松本は、人より十分傷つきやすいだろ。
俺は、気づいてて突き放してしまったけど…」

「その話は、もういいわ。
別に雪人のことはもう恋愛対象じゃないもの…」

「−−お前、付き合ってる男いるだろ?」

「…え?」

松本は社長の方を思わず振り向く…何だか、酔いが一気に冷めたかのような気さえした。

「それとも女かな?
…きれいになった、と思ってね」

「…バカ…もっと前に言ってほしいせりふよ」

そう言うと松本はグラスの中身を飲み干してしまう。
社長は心配そうにぽんっ、と肩に手をやった。

「俺は飲んでないから車で送ってくよ。
もう、いいだろ?」

「んー…まだ飲む」

「…だめだ」

社長は松本の荷物を取り上げ、松本を抱きかかえるようにして立たせる。
足もとがふらつく松本を半ばひっぱるようにしながら会計へと向かった。


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