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私が追いかけた時間の中で
【悲恋 恋愛小説】

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私が追いかけた時間の中で-1

私は貴方に、なにを伝えれば言いのだろう。

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貴方との出逢いは、不思議だった。5年も前の事。

私は家の事情で通信高校に入学して、初めての体育祭で出逢った。
私が男友達にブラのホックを外され、びっくりして座り込んでいた私に、その男友達を怒りながら、笑顔で助けてくれた事。貴方は覚えてる?
私は忘れない、だって私は、その時彼氏がいたけど、一目惚れしたんだから。
『お礼がしたい』って言った私に、貴方は名前も、連絡先も言わずに、ただ、『必要ない』って、それだけ言い残して、その場を後にした。私は何故かすごく寂しかった。
それから何度か探したが、やっばり見つからない、男友達に聞いても、教えてくれない。ならば忘れようって想った。漫画みたいに、助けられたから、憧れてるだけだと想い…。

その後、私は友達から誘われ、14人家族みたいな構成の、仲間が出来た。兄弟がいない一人っ子の私は、嬉しかった。そして、その中の男友達が言っていた悪い噂がある彼が、助けてくれた貴方だと知った。
男友達の彼女と前付き合っていて、酷いことをしたのだと、聞いた。
でも、私は想った、貴方はそんな酷い事出来ない人だと。だって、私を助けてくれたのは間違いなく、貴方なんだからと。
だから、私は私と貴方を結ぶ線は消えてないって喜んだ。
この気持ちは本物だって気付いたから、だから、彼氏とも別れて、14人の仲間の中で、貴方と過ごしていたかった。
どうしても貴方に近付きたかった。だから貴方に彼女がいると噂が流れた時、壊れそうだった。私に向いて欲しかった。
だから、私は押さえ切れない感情をぶつける事にした。

それから私は貴方にくっついて周った。懐く犬の様に…。
そして、彼女の噂はデマなのを知った私は、チャンスだと想った。そして、貴方の家に行く事になった。

貴方が冗談で一緒に『お風呂に入ろうか』って言ってくれた。私、今まで誰とも一緒に入った事がなく、前の彼氏ともない。
緊張したが、誘惑に勝てるわけもなく、入った。顔を真っ赤にした私に、貴方は気付いていただろうか…?

そして、悩みなんかなかったが、悩んでる素振りで、泣き付いた。『ある人に付きまとわれてるんだ今、断っているけど、納得してくれない』と。悩んではいなかった。解決していたことだから。
貴方が好きだから、反応が見たくて、知りたくて、試して見る。試された貴方は、そうとは知らず、真っ直ぐに『彼氏の名前を俺にしとけば?』って何でもない様に言うから、期待に胸がドキドキした。だから、思わず貴方の布団に潜り込んだ。
いきなり入って来た私に貴方は優しく迎え入れてくれた。嬉しかった。

そして、私はある行動に出た。帰る日の朝、冗談半分のやり取りの延長戦で、このまま、終わりにしたくなかった私は、唇にキスをした。まさに一生分の賭けだ。
そして、私は賭けに勝った。
まさかディープキス二回返されると思わなく、びっくりして、でも嬉しくて、舌の動きに私は答えた。
すぐ私は真っ赤になったけど…、貴方は顔を背ける様に離れたから表情が分からなくて、切なかった。
そして、帰り着いた、その夜告白した。
恥ずかしくて、電話でだったが、貴方は答えてくれた。『ありがとう』っと。嬉しくて泣いた。
その日から、私と貴方の付き合いが始まった。


付き合い出してからは、日々変化だった。好きな物が変わり、食べ物が変わり、金銭感覚が変わり、すべてが、変わっていった。友達付き合いや、距離感、勉強、すべてにおいて貴方色に変化した。
たった一つを除いて…。

ほんの些細な事で、亀裂は走る。その亀裂は、止まる事を知らず、最後に真っ二つに割れて止まる。

そうそれは、恋愛対象、恋人への対応や、価値観のズレで起きた、とてつもなく、冷たく、深い亀裂。別れと言う名の裂け目。

貴方は私を彼女だと言えず、そして言わなかった。私は貴方を彼氏だと想っていた。

けして女遊びでない事は分かる、だが、女友達との付き合い方を改めて欲しかった。わがままなのかもしれない、独り占めしたいと、けして想ってはならないのかもしれない、だが私は幼過ぎて、経験不足な上、本気で愛した人なのだ。
幼稚な愛し方は、貴方を苦しめるものばかりで、貴方の愛し方は私がどんどん醜くなるものばかりだった。

そして私の生活、性格は乱れて行き、貴方の禁忌に触れた。
そう何回も私は禁忌に触れ墜ちて行った…。そんな貴方は私を抱き締める事も、けなす事もせず、ただ、ケンカにならない、一方的な私のわがままの感情だけが、空回りし続けた。そして疲れ果てた。結果、貴方から私は逃げた。もう泣き叫ぶ力もなにも残ってはいなかった。ただ、解放されたかった。
そして、別れた。


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