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秘書の恋
【OL/お姉さん 官能小説】

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第3会議室…3-4

「さっきから、何見てるの?」

「ええっ?」

「ずーっとあたしのことじっと見てるから。
気になるじゃない。
襲われる、って思ってるの?」

飲みかけの缶を置いて松本さんは笑う。
下着姿の松本さんに見とれてます、なんていうのは恥ずかしい。
もちろん、それが本音なんだけど…

「襲われる、なんて思ってませんよ」

「そう?ならいいんだけど。
あたしが抱くことはある、なんてゆったから警戒してるのかと思っただけよ」

「むしろ…安心してるくらいです。
1人でいたら…多分色々考えちゃうから…

松本さんは…好きな人いますか?」

好きな人。
あたしの好きな人は…橋本部長…あたしを犯した人。

「…あたしにそんなこと聞いてくる人、珍しいわね」

松本さんが少し気難しそうな顔をする。
あまり接点のない人だけど、こういう顔をするところすら見たことがなかったから、思わず笑ってしまった。

「何で珍しいんですか?」

「遊んでると思われてるんじゃないかな。
ただの噂だけど、あたしが仕事であまり失敗がないから、いろんな人と寝てるなんて陰口叩かれるのは結構あったわ。
相良課長が、女が不当な扱いを職場で受けるのを嫌う人だから、あの人が課長になってからはそんなことはなくなったけどね。
あの人はあの人で悩んでることもあるみたいだけど」

「ああ…畑中さんですか?」

あまり秘書課の中にいないあたしでも、秘書課課長の相良真緒(さがらまお)があたしの先輩の畑中陽介(はたなかようすけ)を好きだというのは勘付いていた。

「わかってるじゃない。
まあ、つまり誰だって恋愛くらいしてるってこと」

「じゃあ、松本さん好きな人いるんですね。
誰ですか?
教えて下さいよ〜」

恋愛の話は、今まであたしは誰ともしないようにしてきた。
好きな人は?なんて聞かれるたびに、いないよ、と言うしかできなかった。
結婚を前提にして付き合っている彼女持ちの人を好きだなんて言えなかった。

犯されてから、踏みにじられてから、そうなってからは特に、絶対にこの気持ちは口に出さないって決めてた。
それで誰にも、好きな人は?なんて聞かないようにしてた。
幸せそうな恋愛の話なんて聞きたくなかったから。
だけど松本さんなら、何だか話してもいいような気がして。

今は、自分の心が何だか軽い。

「これはかなり、トップシークレットなんだから。
なぜか誰も気づいてないのよね。
秘書課使ってHしてるんだけどな…」

「そうなんですかっ?」

あたしはテーブルに身を乗り出すようにしてそう言った。
本当はこうやって恋愛の話をしたかったのかもしれない。
あたしは誰が好きで、友達は誰が好きで。
この人と付き合いたいな、とかあの人とあの人は付き合ってるらしいよ、って。
そんな話を、当たり前の話を、したかったんだと思う。


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