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お見合い=出会いの場?
【コメディ 恋愛小説】

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相互理解=不可欠?-1

どうも皆さん、私から挨拶するのは初めてだな。
はじめまして、那岐瑠璃だ。
とりあえず、この作品のヒロインをしているのだが、私の女としての魅力的な部分は全て辰也の物だからあしからず。
……なに?
聞いていない?
これは失礼した。ではお詫びとして、辰也と私の赤裸々な夫婦生活の一部をお見せしたいと思う。
『結婚してねぇだろうがっ……って離せ文明!……フガッ』
『全く手間のかかる。だが、そういうところも可愛いぞ辰也』
む、私の辰也が何か嫌な危機にあってるような……………。
気のせいか。
フッ、我ながら重症だな。


『相互理解=不可欠?』


「ふぅ……」
「なぁに、ルリ。悩み事でもあんの?」
思わず出てしまったため息を、隣でパンを食べていた広川さんは聞き逃さなかった。
「む……ちょっとな」
「……辰也の事?」
「っ!?」
突然の言葉に飲んでいたお茶を吹き出しそうになったが、危うい所で飲み下した。危ない危ない。
しかし、なぜわかったのだろう。彼女はテレパシストとやらか?
私は不思議そうな顔してたのだろう。広川さんはちょっと面白そうな顔して、理由を口にした。
「ルリが悩む事なんて、辰也以外にありそうにないもんね」
「広川さん。それは逆説的にはそれ以外に悩み事はないと言っているのかな?」
確かに今、一番の悩み事は辰也と関係しているが、私にだって悩み事の一つや二つぐらいある。
「あははっ、ゴメンゴメン。なぁんかそんな風に見えるんだよね、ルリって。迷いなく、辰也に猛進してますって感じで」
それより、と広川さんが少々むくれた顔をした。
「『広川さん』なんて、他人行儀じゃない。友達なんだからタマでいいよ、タマで」
……そうだな。
「すまない。ではタマ。友人として、相談にのっては貰えないだろうか」
タマは笑って、良いよと言ってくれた。
初めて話した時から思っていた事だが、タマは表情が豊かな人だ。快活でよく笑う。
無口で表情のバリエーションに乏しい私としては、とても羨ましい。そして、もう一つ羨ましい所がある。そこが相談したい所だ。
「君は身長も高いしスタイルも良い。どうやったらそんな風になれるだろうか?」
と、聞いたは良いが、今度はタマが飲んでいた牛乳を吹いた。
「ゲホッゴホッ」
「大丈夫か?」
せき込むタマの背中を撫でてやる。
「まだまだだな。大和撫子は牛乳を吹き出さないぞ」
「いや、普通いきなり思いもしない質問が来たら吹くよっ」涙目でタマはこっちを見た。
「私は吹かなかったぞ。やはり大和撫子は貞淑でいないと」
と、私は力説したが、どうにもタマは納得のいかない顔をしている。
「で、いきなりなに……?」
気を取り直したタマが聞いてくる。
「いや、私は見ての通り、背も低ければ全体的に小さい」
確かに…と、タマが頷く。多少ひっかかるがこの際無視だ。
「こんなものでは、我が愛する辰也は見向きもしてくれないんだ」
自分の身体を見ながら呟く。


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