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The Christmas without you
【悲恋 恋愛小説】

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The Christmas without you-2

〜lonely〜

私の彼氏は、うちの高校で一番カッコいい涼君です。
入学当時から好きでしたが、告白した友達、先輩、後輩達は、ばっさばっさと断られました。
私は、見ているだけで幸せだったので、この気持ちは、胸の奥の方にしまっておこうと思いました。
…が、3年になって同じクラスになってしまったのです。
2ヶ月悩んだ末、私は告白を決意しました。
高校生活の思い出に、と、期待なんてしていませんでした。
ところがなんと、OKをもらったのです。
とても嬉しかったのですが、気になる事があります。
…それは

「り、涼君っ」
いつもの帰り道、別れ際に私は勇気を出して言った。
「クリスマス、うちに来ない?」
それは、ある意味賭けだった。
「ほら、私、一人暮らしだから、気兼ねとかしなくていいし…」
しばらくあなたは、黙って何かを考えているみたいだった。
ぼっと、空を見つめている。
私は、ドキドキしすぎで自分の心臓の音しか聞こえない。
「…泊まってもいい?」
「え?」
「…クリスマス」
あなたの答えは、私が予想もしないものだった。
「う、うんっ」
私は、驚きと、嬉しさと、緊張でカチカチになりながら答えた。
…でも、あなたはどこか遠くを見ていた。

あなたと別れた私は、電車の窓の外を眺めながら考えていた。
もう、ずっと前から気付いていた。
あなたの中に、私はいない。
ねぇ、あなたは、一体誰を見ているの?
お願いだから、そんなに悲しそうな目をしないで…

「お前、料理上手いんだって?」
クリスマスの前日、私はいきなり涼君にそう言われた。
何でも、クラスの子に聞いたらしい。
でも、一人暮らしをしていれば誰でも上手くなると思う。
私の腕は、その程度だった。
…と、言ったのにも関わらず、彼は楽しみだと言ってくれた。
笑顔で言ってくれた。
作り笑いだとわかっていた。
…でも、うれしかった。
単純な私は、様々な食材を買い込んだ。
そして、24日に、とても手の込んだ料理を一日かけて作った。
作り笑いでもいい。
あなたに笑って欲しかった。
料理の本を開き、クリスマスの料理、デザート、その他に、テーブルの上にクッキーを置いておこう。
ケーキも作らないと…
私は、賭に勝ったんだ。
涼君は、私の知らない誰かではなく、私を選んでくれた。
クリスマスに、私と過ごす事を選んでくれた。
…ふと、涼君の悲しげな顔が頭をよぎった。
認めたくないけど、認めざるを得ない。
涼君は、きっと私の知らない誰かが好きなんだ。
でも、私とクリスマスを過ごす。
…と、言う事は、相手は別の人と過ごす?
相手がいる人が好きなの?
「やめようっいいじゃない一緒に過ごすんだからっ」
考えだしたらきりがない。
私は、おいしいご馳走を作って涼君を待とう。


待ち合わせの6時を10分過ぎた。

涼君が現れる気配はない。
「初めて来る所だし、迷ってるのかなぁ…」
私は、しばらく様子を見ることにした。
―30分
メールも、電話も来ない。
「…30分の遅刻くらい、よくある話よね」


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