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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 12話〜『サヨウナラ』〜-5

……絵本、読んでくれたかな?小さいころ、大好きな絵本だったんだ。
周りのみんなは…悲しいと言って、評判悪かったんだけど…私は悲しいなんて思わなかった。
だって確かに別れは辛いけど…2人が愛し合った時間は本当じゃない?
それに片方が犠牲になっても、相手のことを想い続けるのだって…1つの愛の形だと思うんだ。
他の人が聞いたら…くだらないって言うかもしれないけど………恭介は私の気持ち…わかってくれると思う。私を送り出してくれたんだからね♪

でもね…恭介のコト、本当に本当に大好きだったんだよ?
たぶん恭介が思ってる以上に好きだった……過去形だけど、今も好きだからね♪誤解しないように(笑)
だから…その証拠に、飛行機に乗る前に恭介が来てくれたら……本当は行くのやめてたの。

でも、なんとなく恭介が来ないこと…わかってた………ううん…〈来ない〉って言うよりは〈間に合わない〉が正しいかな?だから手紙を書いたんだし。

恭介も会えないって思ってたんじゃないかなぁ?
それでも恭介はきっと来てくれるの……優しいから♪♪

いつ日本に戻るかなんだけど……わかんない(笑)
1ヶ月で戻るかもしれないし…10年たっても戻らないかもしれない…。
戻ってきても、恭介に会うかもしれないし…会わないかもしれない…寂しい?(笑)

あはは、寂しいよねー!私もだよ…。
でも…それが冬白 美雪で…恭介が好きになった私だから♪
中学卒業するまでは、いるつもりだったけど…今のまま恭介と会うことを考えると…駄目だった……。
やっぱり絵本のようにはいかないね……悲しいし…本当に寂しい…。

その代わりって言ったら変だけど、私が小さいころから大事にしてた…熊のヌイグルミ。私の大事な宝物で…私の分身みたいなモノなの。
恭介にあげる♪その子は恭介の側に居てほしい。
大事な紅葉のキーホルダーも、首飾りにして付けたんだよ?
その子は、恭介のもとで幸せになってもらいたいって意味でね♪私と同じくらい寂しがり屋なんだ。
それに…恋人じゃない私が持つことは…もう出来ないから…。

恭介は雪の結晶のキーホルダー…棄てちゃっても良いし…持ってても良い…任せる♪…まぁ恭介がすることは想像つくけど(笑)


それじゃぁ、そろそろ終わりにするかな。鈴りんや理緒っち、杏子さんには…後で手紙でも書くって伝えといて♪
…えっ?俺には無いのかって?…ふふっ……あたりまえでしょ♪
…なぁんてね……私たちに手紙なんて必要ないよ…この1枚で十分♪

そろそろ本当にお別れだ………この手紙読んで……どう思った?
まだ怒ってる?…喜んでる??悲しんでる?……泣いてるかな…?

わたしはね…全部!

恭介と出会えてからの楽しさ……離れることの悲しみ……別れを選んだ恭介に怒り……でも、それを含めた恭介の優しさに喜び…。

全部全部…思い出しながら書いてるの……そして今は恭介のためにも、前だけを向こうって思ってる♪

だから恭介…日曜は出来なかったけど……今なら私は笑顔で言えるよ。


―――さようなら♪――――――――――――――――The love of my life―

《From,冬白 美雪》


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『またね』じゃなくて『さようなら』ってのが、お前…いや、俺たちらしいな…。


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