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fantasy ability
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reality ability‐第6話‐集められた“過去(しんじつ)”‐-5

「‥‥司義莉さん。破山 和昂(はやま かずたか)さんと真里祢さんの保護をやってくれますか?‥‥」

未来の皇希は先ほどとは違い真剣な表情になる。その雰囲気は他を圧倒するが、優しさを漂っていた。まるで優しい王のような雰囲気を自在に出せるようだ。
疑問は“現在”の皇希との戦闘力や経験にかなりの差があり、性格も変わっていた事だ。変化にはそれなりの事がないと変だが、“未来”の皇希を見ると違和感があった。
それは数年後の容姿なのに、その姿にいつも着そうな服装だった。つまり、普段着である。普通の生活をしてないように思えるのでやはり可笑しい。
それはそうとして、司義莉は恐怖感丸出しの表情だった。司樹菜と同じように怯えていて、目上に対する態度みたいだった。

「‥‥解りました。」

その一言だった。それを聞いた未来の皇希は喋り出す。

「‥‥オレも他人の事は言えないが、威圧的な事でねじ伏せる事はやめましょう?‥‥司義莉さん。“過去”の二の舞になりますよ?‥‥」
「‥‥はい。」

言った後に未来の皇希は司義莉を見た。司義莉はまた一言で終わる。

「‥‥それと身分などに関係無く、敬語はやめましょうよ?後、‥‥そろそろ“無神 絢音”は復活する‥‥」
「!!」

司義莉は目を見開き口も開ける程に驚いた。

「‥‥会うのはこの闘いが終わってからにしてください‥‥」

未来の皇希が制するように言った。

「解った。‥‥一つだけ質問がある。」
「‥‥何ですか?内容によっては答えませんけど‥‥」

司義莉は二人を見た後に喋り始める。和昂と真里祢は一瞬震えたが、梛が前に立ち事で治まった。


「‥‥何故、君は裏側で活動する?」

司義莉は不思議感を交えた真剣な表情になる。

「‥‥‥それは“ある者”を追っているからです。今は追う理由も“ある者”の詳細も言いません‥‥」
「‥解るんだな。“未来”で?」
「‥‥ええ‥‥」

司義莉は何かが納得したのか、梛と“人間”たちに譲ろうと端っこに座りこんだ。

「‥‥梛さん、何かありますか?‥‥」

未来の皇希が質問する。梛は考える様子をしていた。和昂と真里祢はどうしていいのか解らずじまいだった。すると、未来の皇希が喋る。

「‥‥和昂さん、真里祢さん。貴方たち夫婦は相思相愛の二人ですね。幸せになってください‥‥」

突然の一言に動揺する二人だった。しかし、和昂が気持ちを落ち着かせ、感謝の言葉を言う。

「ありがとうございます。幸せにさせますよ、真里祢を。‥‥貴方は愛している方がいると聞いてますが?」

和昂の言葉に未来の皇希は梛を睨むように見た後、微かに上擦る声で喋る。


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