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fantasy ability
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reality ability‐第6話‐集められた“過去(しんじつ)”‐-4

「ふん!何が何だか知らないが、売られた喧嘩は買う主義でな!死ね!!」

深神は瞬間の時で皇希らしき人物に近づいた!長剣も同時に振りきる。

〈ビュン!!!〉

お互いの音が重なり、音量が上がる。

「‥な‥‥に‥‥?‥‥ぐふっ!」
「‥‥悪いが、当たらない。それに負ける事が許されない身でな‥‥」

深神は身体中の至るところに傷が出来た。一瞬にして出来た。対する未来?の皇希は無傷だった。その差は一目瞭然だった。
深神は血を吐き座り込んだ。未来?の皇希は深神に喋る。

「‥‥何処か、誰も知らない場所に逃げるんだな‥‥」
「なっ、なんだと!?」

未来?の皇希の言葉に驚く深神だった。それもそうだった。わざわざ敵を逃がす事になるのだから‥‥。

「‥‥オレは殺す気はない。死は悲しみを呼ぶ。無意味な事はしたくない‥‥」

深神に背中を見せる未来?の皇希だった。悔しそうな表情の深神だが、

「‥‥司義莉‥‥この出来事を起こした冥界神に未来はあるだろうか?」

と静かに言った。司義莉は覚醒状態を解き、慰めるように喋る。

「解らない。鍵は握っているのは皇希君だ。彼に‥!?」
「‥‥喋り過ぎです。‥‥冥界神はその罪に縛られる。これだけは言っておきます‥‥」

司義莉を殴ろうとした未来?の皇希だった。司義莉は喋っている途中だが中断して躱した。

「‥‥そうか。司義莉‥‥死ぬなよ。」

深神の足元に魔法陣が浮かび上がったと同時に深神は消えていった。

「‥‥‥」

司義莉は悲しげに見ていた。未来?の皇希はその様子を真剣な顔で見ていた。そして、口を開いた。

「‥‥司義莉さん?先ほどはすみません。“真実”を隠したい事もあるので‥‥」

司義莉は外を見ていた。その瞳に何を秘めているのかは不明だ。

「‥‥いや、いい。‥‥何と呼べばいい。そこの三人にも隠す事があるんだろう?」

司義莉は振り返り、真剣な眼差しで言った。雰囲気も変わってくる。“神”の威厳が出てきたようだ。

「‥‥今も統神 皇希です。名前ぐらいでは“運命”は変わりません‥‥」
「‥‥だそうだ。梛と“人間”たちよ。」

司義莉と未来の皇希は今まで無言だった三人の方を見た。

「‥‥でも、皇希君は天界にいるはず‥‥」

梛は不思議な表情になった。

「‥‥梛さん、オレは“未来”の皇希です。“現在”の皇希は天界にちゃんといます。‥‥では、本題です‥‥」

急に話を変える未来の皇希だった。


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