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茶色い目
【ホラー 官能小説】

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茶色い目-1

私の怖い体験のお話をします。ある日私が寝ようとしていたら一件のメールを私の携帯が着信しました。
件名は「見たら呪われる」・・よくあるチェーンメールのたぐいと思い、私は面白半分でメールの中身を覗いて見ました。

メールには写真が添付されていました。着衣の乱れた女性が土のむきだしの地面に横たわっている写真でした。

顔はどす黒く変色したような肌の色。乱れた着衣からは片方の乳房が露出しています。死んでいる・・そう思いました。

女性の目は茶色く濁っていて、辛うじて分かる黒目はカメラのレンズ・・つまり私の事を凝視していました。

加工された写真などでは無くリアルに犯罪の匂いがした私は全身の血の気が引いていくのを感じました。

そのメールには文章が添えられていました。「鏡に気をつけなさい。鏡に映るあなたの目・・それは、本当にあなたの目ですか?鏡だけではありません。暗いテレビ画面。ケータイサイトの黒い背景・・あなたが写りこむ物すべてに気をつけなさい。写りこんだもう一人のあなたと目があったら、もし、その目がほとんど黒目が分からないほどに茶色く濁っていたら、きっとあなたは想像を絶する恐怖を体験するでしょう。」

・・・なんて悪質なメールなんだろう。人を怖がらせるなんて。わたしは悪質ないたづらと自分に言い聞かせました。

メールを削除しようと思った私は最後にもう一度だけ写真に目をやりました。・・パチ、パチ・・写真の女性が瞬きした・・。確実に、確かに今、私を凝視するその茶色く濁った目が瞬きをした・・。

私はメールをすぐに削除しました。そして、目を閉じました。でも、目を閉じると先ほどの女性の茶色い目が脳裏に浮かび、恐怖でとてもじゃないけど眠れません。

私は気を紛らわそうと携帯を手にとると、いつも利用している雑談掲示板にアクセスしました。きっと、楽しく会話をしている間に寝てしまう。時間がたてば忘れられる。そう思って携帯サイトにアクセスした私は考えが甘かったという事を思い知らされました。

私がアクセスしたサイトの背景は真っ黒でした。そして、見てはいけない、気をつけなければならないと言われれば、尚更意識がいってしまうもの。私の視線は携帯サイトの黒い背景に釘付けになっていました。

うっすらと私が写ってる・・・携帯サイトの黒い背景にうっすらと映る目・・・私じゃない。

映っているのは私では無く、間違いなく茶色い目の女。茶色く濁った目で私の事を凝視していました。

私は携帯を閉じると、布団を頭までかぶり体を硬直させました。布団を頭の辺りまでひっぱったので、足元がスースーします。

次の瞬間!!!

ガッ!!!私の両足首が強く誰かにつかまれました。私の足首をつかんだ手は氷のように冷たく、強くつかまれたのと、冷たさで、足首がジンジンしました。

つかんだ私の足首を支えにしてズルズルと体を引きずるように、自分の上体をベットの上へと移動させているようでした。

来る・・近づいて来る。その冷たい手の持ち主は確実に私の方へと移動して来ました。私の体の上に体重をかけて、私の足首を持っていた手は足首から離れ、私の膝の横を移動し、私の腰の横を移動し、どんどん近づいてきました。


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