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恋は盲目
【学園物 恋愛小説】

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恋は盲目……恐怖の大魔王…………No.5-1

靄のかかった意識の中、遠くから何か声が聴こえる………

「お止め下さい百合香様、蓮香様…!若はまだ寝ていらっしゃいます。」

「ウルサいわね橘、愛する姉上が帰ってきたのに寝てる不細工な弟なんて…、こうよ!!」
ドグッ!!

グっ…、腹部に何やらヒジらしき物がクリーンヒットした……



意識という列車が靄のかかった薄暗いトンネルを抜けると、そこは一面のお花畑でした




あぁ……、何だか綺麗な川が流れているのが見えるぞ…?それに、周りは一面のお花畑だ…
これは…何て名前の花だったかな…………そうだ、彼岸花だ……

………彼岸!!?
そういえば渡し船に乗らなきゃいけない気分だ…どこだろう?
桟橋を探していると、更に遠くの方から声が聴こえる

「ちょっと、ゆり姉さん?やりすぎたんじゃないかな?」

「うーん…起きないわね……」

「わっ、若!!?息をしていませんぞ!!止むを得ません、失礼します若!」

珍しく橘が慌てたような声を出している。そう焦るな橘……私はもう少し寝ていたいのだ………それに、何だか気分が良いのだ。体がフワフワしていて、まるで天国への階段を登っているみたいな…………
ドンッ!!
今度は胸部に衝撃がくる
あぁ、急速に体が空に引っ張られてく………


「ッッッ?!!ゴホッケホッ!!な、何があったん…ケホッ………だ?」
せっかくの気分の良い浮遊体験を邪魔され、息も絶え絶えベッドサイドを見ると、2人の姉上と心配そうな顔の橘。

「お気づきになりましたか若?!良かった……万が一に若に何かあったらこの橘、腹を切らねばお父上に申し訳が立たないですから…」
涙ながらに恐ろしいことを言う橘

「なに馬鹿なこと言ってんの橘!これ位じゃ誠の不細工は治らないわよ!!」

これは大学二年生の百合香姉さん。長身で腰まであるロングの黒髪に、少しきつめで切れ長の目の所謂、絶世の美人だ。でも百合香姉さん、意味不明である…まぁ確かに不細工だけどさ。

「ほら誠、起きなさい!!愛する姉上が帰ってきてあげたのよ!?」

「あぁ、お帰り百合姉さん、蓮香姉さん……あれ?確かに帰ってくるの近日中って聞いたけど、今日だったの?」
目をこすりながら聞く
「そうよ。偶々会社用のジェットが空いててね、それで帰ってきたの。」

こちらは大学一年生の蓮香姉さん。背は高くないが、男なら誰もが振り向く可愛らしいお姫様みたいな人である。


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