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永遠にキミを夢見て
【悲恋 恋愛小説】

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永遠にキミを夢見て-1

朝がきた。いつもと変わらぬ朝が。ただ一つ違うことといえば、隣にアイツがいないことだ。
『アイツ』について話そうか。

『アイツ』とはわかると思うが僕の彼女のことだ。大好きな彼女。世界で一番愛しい人。そして、僕の全てを理解してくれる人…。
僕達は自分で言うのも何だが、ものすごく愛し合っていたと胸を張って言える。当然結婚だって考えていたさ。そう、あの日までは……。


「ねぇ、あたしのこと、好き?」
「えぇ?当たり前だろ?」
「ホントに?どれくらい好き?」
「世界一、いや、宇宙一好きだよ。」
「あはっ☆嬉しい!」
僕の腕を枕替わりにして横になっている彼女が、これ以上はないというほどの最高の笑顔を見せる。
梨乃と巡り会えて本当よかった。お前がいなかったら僕はどうなっていただろう。想像できないや。
彼女と僕は服を着て朝食をとった後、僕の車で彼女を家まで送った。
助手席に座る彼女。
あぁ、いつ見ても可愛い。このままずっと一緒にいたいのに。
今日、梨乃は夜から仕事がある。そのため昼間に寝ておく。なんせ昨晩は寝ていなかったから。だからこうして車を走らせているのだ。夜の仕事といっても、アブナい仕事ではない。
彼女のマンションに着いた。

「じゃあな。」
「うん、じゃ…」
僕が彼女に背中を向け、2、3歩踏み出した時、愛しい声が響いた。

「浩人!待って!」
僕はその場から動かず後ろを向いた。少し離れたところに梨乃が立っている。
あぁ、愛しい。梨乃が愛しい。なんて可愛らしいんだろう。

「あたし、浩人と会えてよかった。嘘じゃないよ。大好き…」

梨乃に近づき、優しくキスをして僕は帰った。

あの時、なぜ彼女が泣いていたかはわからなかった。もし、涙の理由に気づいていれば…今日もキミは、僕の隣で寝ていてくれたのだろうか。


その日、梨乃は自殺した。

遺書はなかった。

……ぇ?梨乃?

どこにいるの?

俺はここにいるぞ。

キミの声を…梨乃の声を…もう一度、聞かせてくれ。

彼女に何がおこったんだろう。そして、何も気づかなかった僕は何だ…。
それでも梨乃の彼氏かよ…。いや、僕は梨乃の彼氏だ。世界で一番、いや、宇宙で一番梨乃のことを愛している、たった一人の彼氏だ!

そうだろ…梨乃?

そして、キミもたった一人の僕の彼女だろ?
僕はそう信じている。

ずっと…ずっと信じている。キミは僕の愛しい人。世界でたった一人の…彼女だと。


あれから、もう2年が過ぎる。結局、梨乃の自殺の理由はわからなかったが…。
毎日彼女の夢を見ていた。それがたとえ夢だとしても、僕はとても幸せだ。
なぜなら…
永遠にキミを夢見ていられるのだから…。


END


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