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fantasy ability
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reality ability‐第5話‐西の洞窟、death cave‐-6

話が逸れたので元に戻そう。別れ道のある少し広い空間。そこに複数の人影が一人を囲んでいる。もちろん、囲まれているのは皇希。既に攻撃をされていた。
いつもの体勢で剣を持っていた皇希は手下たちに囲まれていた。服などに血がついていたが返り血だろう。と言うことは、やはり、‥‥いや、当然というか、無傷で呼吸も乱してはなかった。
更に冷酷な眼差しで手下たちを見下していた。返り血もあったせいか、まるで冷酷の殺人鬼に思えた。‥‥これではどっちが悪なのか、さっぱり解らないぐらいだ。

「くっ!奴に限界は‥無いのか!?」

一人の手下が言う。全身血だらけになりながらも立っていた。凄い根性だ。

「‥‥‥」

皇希は先ほどの悪魔のような表情になる。周りはその皇希の表情に全員が死を覚悟したように構えた。

「う、‥‥!!」

しかし、先ほどの手下は慌てたせいで混乱しながらも、撤退しようと走って逃げた。皇希は冷ややかな瞳で見ているだけだった。



〈ヒュン!!ブシュゥ!!!〉

「ギァァァァ!」

数十メートル離れた所から聞こえたようだ。暗くて見えないのと音が反響して解らない。皇希はその音が聞こえた方向を見た。その僅かな隙に一人の手下が動いた。

「‥‥‥」

皇希は何事も無かったように避け、軽々しい一撃で倒す。手下は霧と化し消えていく。その雰囲気に圧倒される残った者たちは少し後退する。
すると、音が聞こえた方向から誑笥の所に居た隊長格が歩いてくる。右手には血塗られた剣があった。‥‥どうやら、逃げ出した手下は彼に殺されたようだ。
その姿に皇希は何にも感じる事無く、軽く見ているだけだった。隊長格が静かに喋りだした。

「‥‥貴方が“カオス”様から聞いた者。また、誑笥様を怒らせた者か?」

ゆっくり構える。殺気を放つ剣が皇希に狙いを定めた。隊長格の表情が真剣なのが影響したようで、手下たちの表情や雰囲気もガラリと変わる。
次第に皇希を包みそうな殺気が辺りに漂い始める。だが、皇希はその雰囲気に唇の片端を上げ笑っているような表情になった。それは悪魔の笑みに見えた。

「可笑しな人だ。‥‥その余裕が命取りになるんだ!」

隊長格が動きに合わせて、周囲の者たちが動いて皇希を撹乱させていた。合図の無い見事な連携動作だろう。

〈ヒュン!〉

が、皇希は当然の如く、その行動を一撃で止めた。敵の全員、‥‥隊長格も動揺するが、意味が無かった。

『!!!』

皇希の次の行動で全員が一瞬にして霧と化し消えていった。皇希の動きはいつも以上に速かった。無音無風の行動。

「‥こ‥‥い‥‥つ‥‥!」

隊長格はそう言い残し消えていった。

「‥‥‥」

皇希は気にもせずに先を目指し歩き始めた。いつもと何かが違っていた‥‥。


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