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THE 4 seasons 〜SPRING blossom〜
【悲恋 恋愛小説】

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THE 4 seasons 〜SPRING blossom〜-1

「来年、この桜が咲く頃に帰って来るよ」
 あなたはそう言ったから、私は今日もあなたを待ち続けます――。

SPRING blossom

満開の桜の下。春香は今日も1人公園のベンチに座っていた。
 ちょうど1年前、この場所でした約束を思いだしながら。


1年前――
「海外転勤が決まったんだ」
 今日と同じ満開の桜の下で響也はそう言った。
「1年間の転勤なんだ。急だけど明後日に日本を経つことになった」

 春香と響也が付き合い始めたのはちょうど2年前。2年の記念日が日曜だったこともあり、2人で公園に来た。桜の下のベンチで話していた時、突然響也がこう言ったのだ。
「えっ? 嘘、でしょ?」
 自然と声が震えた。響也は真剣な面持ちで春香を見つめている。その瞳が嘘ではないことを物語っている。
 ぼやけた響也の顔を見て、春香は自分が泣いていることに気がついた。
 やわらかな春の日差しも、公園で遊ぶ子ども達の声も、全てが遠くに感じた。
「来年、この桜が咲く頃に帰って来るよ」
 ふいにかけられた響也の声に春香は我に返った。

「そうしたら結婚しよう」

響也は確かにそう言った。今年もこの公園は満開の桜。なのにどうして、響也は帰って来ないのだろうか。

 半年前、響也は転勤先の事故で亡くなってしまった。春香は響也の死を信じられず、お葬式にも出なかった。

 いや、本当は気付いていた。響也がもう帰って来ないことを。ただ、認めることが怖かった。響也がいない世界をどう生きたらいいのかわからなかった。
 せめて、この桜が散るまでは響也が帰ってくると信じたい。この桜が散るまでは……。
 強い風が吹き、春香は思わず目を閉じた。

桜の花びらが舞い踊る。その瞳を開けた時、花びらの向こうに響也の姿が見えた気がした――。


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