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jam!
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jam! 第6話 『穴だらけの街』-4

「……そんな馬鹿な…。……いや、しかし……」

しかし守屋さんの様子が何やらおかしい。ぶつぶつ何かを呟いている。

「……?どうかしたのか?」
「いや、もうちょっと待て。気になる事が出てきた。……詳しく調べる」
「OK。なんか分かったら教えてくれ」

再び作業に集中しようとする守屋さん。
……と、二階堂さんが思い出したように発言。

「……あ、あとコーヒーおかわり」

守屋さんはお前空気読めよ、みたいな渋い顔をしたが……諦めてため息一つ。

「……さっき作ったやつがポットにあるからそれにしろ」
「サンキュー。……よし、話を続けるか」


▼▼

えーっと、どこまで話したっけ?
……あぁそうそう、封印したとこまでだったな。


五人の旅人達は順調に穴を封印していったんだが、しばらくしておかしな事に気付いたんだ。
得体の知れない感覚というか、空気に違和感みたいなモノがあったそうだ。

……そして、違和感の正体が明らかになった。

この街には五つの大きな穴があったワケだが、実はもう一つ巨大な穴があった。
今まではその中にいたから気付かなかっただけだったんだ。


――この霧生市は、丸ごと一つの巨大な『穴』になりかけていたんだよ。


そんな大規模な穴が魔界と繋がったら、何が出てくるか分からない。
……そして考え出された方法が、この場所を丸ごと大きな結界で囲ってしまおうというものだったんだ。

それから五人は数年がかりで巨大な『陣』を構成し、半永久的な結界を作り上げた。


それから千年以上経った今も、この陣は『穴』を封印するため稼動し続けている――。

▼▼

「……とまぁ、こういうワケだ」
「なんか、壮大な話ですねぇ……」


二階堂さんの話は、僕の想像を絶するものだった。
千年も動き続けている結界、か。そんなモノがあったなんて。


「で、補足なんだが。その穴の近く――つまりは異界と繋がってる場所の近くではな、思念が形になりやすいんだ」
「形……ですか?」
「要するに幽霊が出やすいってことだよ」

ふと、さっきの昔話を思い出す。

「……あれ?そういえば霧生市には穴がたくさんあるんですよね?」
「お、気付いたか」
「じゃあ霧生市には霊がでやすい……?」
「そういうことだ。……ま、その分俺みたいな霊体相手の仕事をしてるヤツも何人かいるから、かえって害は少ないかもな」

言いつつ取り出したタバコをくわえ、火を点ける。

「穴の近くに霊が出やすい原因はこれといって分かってないんだけどな。心霊スポットって言われてる場所のほとんどが、必ずと言っていいくらい『穴』の近くにあるんだ」
「恐らく異界の空気とこちらの空気が混ざることで、そういう場を生み出しているのでは……というのが一般的な推測ですね」

悠梨ちゃんの補足が入る。


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