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間−ハザマ−
【悲恋 恋愛小説】

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間−ハザマ−-2

驚いた。いつも予備校の後に来る平沢が、次の日に来たのは昼前だった。
「どうしたの?予備校は?」
「ラーメン行こうぜ」
「は?」
「ラーメンだよ」
「え、ちょっ…まさかそのために予備校さぼったの?……、それがさ…ごめん、実は昨日行っちゃったんだ…」
「ええっなんでだよ〜あんなに行くなって言っただろ〜」
「だからごめん、平沢が行ってすぐ友達から電話あって、ラーメン屋の話したらさ、行こうって聞かなくて…」
「ええー…そう…で、どうだった?うまかった?」
平沢、そう言いながら私のテキストやノートを閉じていく。
―…もしかして、いじけてんの?…ふーん…
「おいしかったよ、今度横山さんと行きなよー」
私、平沢が閉じたものをゆっくり開いた。
「……、腹減った…」
平沢、私が開いたものを閉じていく。
―…へー…ちょっとかわいいかも…
「…分かった。じゃあどこか別のラーメン屋行こうよ。ラーメンはお礼なんだから」
私の言葉に平沢の手が止まる。
「俺、行ってみたいとこあったんだよ」
平沢の上目使い。その目はキラキラ輝いている。
―…まぁいいけど…
図書館を出て早足で歩く平沢、私はゆっくりと後を追う。
「…昨日のラーメンおいしかったから、本当、今度横山さんと行きなよ」
そう言ったのはわざとだった。さっき言ったときに妙な間があったから…
「…うん…だな…」
平沢の足が減速する。
―………
「何その返事、横山さんラーメン嫌い?」
私、平沢肩を軽く叩く。
「んー…みたい…」
「何それ」
「もういいじゃん、それより昨日の友達って彼氏なんじゃねーの?」
「ブーっはずれ、1組にいた高波」
「バスケ部の?」
「うん、1年の時同じクラスだったの」
「…、今日行くとこは誰も連れていくなよ。絶対!!」
「はいはい」
「はいは一回だろ〜?」
「もう、行かないよ」
「いや、また高波と行くつもりだろ」
「…じゃあ、今日は二人だけの秘密ね」
私、微笑んで見せた。
「おお!!よし、俺も誰にも言わない。」
「横山さんにはいいからね。彼女なんだから、隠し事はだめよ」
一応ね…言っとかないと…
「もういいよあいつの話は〜、恥ーずーかーしぃーいー」
「はいはい」
「はいは一回」
「はーい」
この二人は上手くいってない…だから簡単に壊せる。そう思うと楽しくてしょうがなかった。1ヶ月…それだけ時間があれば簡単だと、そう考えながらラーメンを美味しそうに食べる平沢に笑いかけていた。


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