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私の涙、いくらですか?
【純愛 恋愛小説】

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私の涙、いくらですか?-1

認めたくないけれど…

私には好きな人がいます

会ったことはありません。話したこともありません。
メル友という訳でもありません。

ただ確かなことに、私は、彼に恋してる。





突然気づいた。

「お金が無いわ。」
小銭だらけで、お札が空っぽの財布を見て、青ざめる。

これから1週間をこのわずかなお金で乗り切るのは無理よ。
家賃や高熱費はすでに引かれているから良いとして、問題は食費。
食費を削ると、健康を害して余計な病院費がかかったりするのよね。
削れないわ。
何よりお腹がすくと、イライラするから絶対嫌。

例え携帯電話すら買えなくても、心まで貧しくはなりたくないのよね。

「バイトをするしかない、か。」
喉から搾り出すような声で呟く。


私の名前は中川美菜(なかがわみな)。
私自身は決してお金持ちではないが、セレブの卵達が数多く集まる、有名私立女子高校に通っている。

全てはこの格差社会のサイクルから抜け出すため。

貧乏人は貧乏人のまま?
は?
誰が決めたの?

私はお金が無いからって、大学に行けないとか大企業に入れないとか。
そんな風に思いたくない。

まだ若いのに諦めたくなんかないわ。

私の実家は大家族で、いつもお金に困っているような状態だった。
中学時代にひたすら猛勉強して、特待生の枠を手に入れた私は、学費を免除してもらって、1人暮らしをしている。

高校からエスカレーターで進学できる、某有名大学の肩書きさえあれば、貧乏からも脱出して、家族を食わせて行ける。
そう考えて頑張ってきた。


「美菜―――!」

背後から突然名前を呼ばれ、私は振り向いた。
セーラー服をはためかせ、木田皐月(きださつき)が駆けてくる。
私が同じ制服を着ていても貧乏くさいだけだが、彼女は正真正銘のお金持ち。
一見して、気品が漂っているのがわかる。

「皐月、走るのはやめなさい。みっともない。」

私は思ってもいないような言葉を放つ。この物言いが周囲から冷たい人間だと思われている要因だと、既に気づいているのだけど、三つ子の魂百までって言うじゃない?
なかなか変わるのって難しいのよ。


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