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DEEP DIVER玲那〜闇に沈みし者〜
【ファンタジー 官能小説】

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DEEP DIVER玲那〜闇に沈みし者〜-3

「天元様、御無沙汰しています…」
 客間に通された葵はダイアナと共に、目の前に座している桜龍家の当主にかしこまって頭を下げる。すると、タイミングを合わせたかのように、庭の池にある鹿威しが岩を叩いた。
「葵、しばらくぶりだったのぉ。鎮魂機関とやらに身を置くようになってからは、この家にもとんと顔を見せんようになって、玲那のやつも寂しがっていたぞ」
 天元老はそう言って好々爺とした笑みを浮かべると、湯飲みに口を付けて喉を潤した。
「はあ、いや、まあ……」
 言われて苦笑いを浮かべ、煮え切らない返事をする葵。しかし、天元老は気にもとめず、ダイアナの方へ視線を移す。
「だいあなさんも久しぶりじゃったの。で、今日は一体何の用で…?」
 水を向けられ、ダイアナは先日公園で出会した奇妙な神人のことを天元老に話した。
「成る程、それでその化け物は鎮魂機関が把握しているどの神人とも一致しなかったじゃな。しかも、魑魅魍魎、狐狸妖怪の類でもなく、神人と同じ霊的反応を持っていたと…」
 神妙に耳を傾けていた天元はそう言って言葉を切った。それを受けるように葵が話を続ける。
「はい。思ったより相手の力が強く消滅するより仕方なく、捕縛して鎮魂機関の研究施設に送る事は適いませんでした。しかし、細胞のサンプルからそれは神人の一種であることが判明しており、我々は何者かが人為的に神人の細胞を人間に投与したとも考えています」
「ふむ、成る程。いわば人工的に作られた神人じゃな。しかし、元になった神人の出所は分かっておるのか?」
「残念ながら、我々が把握している封印場所は何処も破られた形跡はなく、過去に出現したどの神人とも別物であると、遺伝子鑑定の結果は出ています」
 葵の説明に、天元老人は考え込んだ。
「成る程、となると、異国の神人かものう…」
「異国の…!?」
 老人の言葉に、葵とダイアナ二人が同時に驚きの声を上げた。
「何を驚いておる?神人は日本人の祖先と共に渡来して来たと言うのが通説じゃろ。大陸経由に半島経由、土着の神人も勿論おるが、日本には外国産の神人の方が多いのじゃぞ。そして、神人と同種の神霊は朝鮮半島や中国、チベットの奥地でも確認されておる。また、南米でも近似種が見つかっている。人間を神人化しようと目論んでいるのが何者かは分からんが、日本の封印が何処も破られていないのであれば、異国の神人と言うことも十分考えられるじゃろ…」
 老人の言葉に、葵はしばし考え込んだ。
「確かに、外国の神人を何者かが日本に持ち込んだとも考えられます。しかし、一体何の目的で…」
「さあなぁ…。そこまでは儂にも分からんよ。ところで、話が随分と横道に逸れてしまったが、今日うちに来たのは玲那の持つ久久能智の巫女の力を借りに来たんじゃろ?お前さん方二人がうちに来るとすればそれしかないからのう…」
「は、はあ、申し訳ありません…」
 老人は溜息混じりに小さな苦笑いを見せると、葵は体裁が悪そうに身をすくめた。
「謝ることはないじゃろ。じゃが、まあ、たまにはゆっくりして行ってはくれんかのぅ…。そうじゃ、今度、庭で茶会なんぞというのは…」
「は、はあ、それは楽しそうですね…。今度、休暇が取れればそのと…」
 当たり障りなく老人に応じる葵であったが、言葉を終える間もなくどたどたと廊下を走る音が聞こえ、セーラー服の女の子が勢いよく飛び込んできた。
「御爺様ぁっ!葵が来てるって!?」
 作法も何もあったものではなく、天元老人が耳を押さえ、露骨に顔をしかめる。
「こら、玲那!何だ、女の子がはしたないっ!!」
 少女を窘める老人であったが、当の本人はまるで聞いてはいなかった。老人の横にちょこなんと座り込むと、ちゃっかりと自分にお茶を入れる。


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