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命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

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命日が誕生日12-4

『…何とか理解完了…』


「それでさっきも言ったが…霊力とは魂、肉体、どっちにとっても生命線なワケだ…」


『……はぃはぃ』

『そこで…幽体の霊力は大半が肉体形成に使われてるとどうなるでしょう』

『魂を維持するのに使う霊力が減る…』


「その通り……
しばらくは貯金じゃないけど霊力の器が高い程
その分を使ってなんとも無いが…それが無くなると自分で生成出来る霊力では追い付かないで
徐々に魂が悲鳴をあげてくるわけだ」


『しかも契約は一度したら解除できないのよ…
人の認識を止める事は出来ない…記憶と認識は別物だから忘れた所で関係無いしね……』


『……じゃぁ…魂は…
霊力を失いそのままでいるとどうなるの?』


「人と一緒だご飯をほとんど食べなければ、ドンドン痩せ細り栄養失調になり時期に死ぬ……」


『じゃあ!このままじゃ………霊は!!』



『えぇ…遅かれ早かれ

  零の存在と魂は…

  この世からも

  あの世からも


  完全に消えるわ…』



『そ……そんな!!何か…
何か方法はないの!!!?』


『「………………」』



『………そんな…』


「天迦……何もそう悲観する事は無い…」


『……え?』

「人は誰でも死ぬ…
それと同じことだ……」

『でも!!でも…!!
魂も消えるって全部消えちゃうって!!』


「それとて…元から
輪廻転生などと言うものは、人間にとって大した意味は無いんだ…
存在あっての人間…
死んで存在が消えれば…例え生まれ変わり魂が同一でも識別出来なければ何の意味もない…」


『そ…そぅかも…しれないけど……』

「俺はもぅ…1度死んでいるのだ……
そしてその人生よりも、何倍もの時間を幽体となり存在してきた…
今更…自分が消えることに恐れなど無い…」


『……ィャ!!……嫌!!
例え零が良くても私は…
…我が儘かもしれないけど…耐えられないよ…』


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