投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

コンソメのスープ
【大人 恋愛小説】

コンソメのスープの最初へ コンソメのスープ 0 コンソメのスープ 2 コンソメのスープの最後へ

コンソメのスープ-1

†コンソメのスープ



―泣きすぎて頭が痛い。



昨日私はフラレてしまった。
飯塚紀美子31歳。今頃彼氏にフラレてどうしたら良いのか途方に暮れてしまう。

私は自分が振った振られたに関わらず失恋すると夜通し泣いて目を腫らす。
学生の頃はよく次の日休んだりもしていた。



今日が土曜日で良かった。

さすがに社会人10年目のおばさんが失恋で会社は休めない。

彼氏に振られたのが辛いのもあるが、この先私は誰かと出会えるのか不安という気持ちの方が強い事に年を感じる。



ぐるるるるるるる…。




部屋中に私の腹の音が響く。




悲しくてもお腹は空くんだ。
人間て図太いもんだな。
ガンガンする頭で、そんな事をぼーっと考える。




そういえば、実家にいた頃は、私が目を泣き腫らして部屋から出てくるとお母さんがコンソメスープ、出してくれたな―。


あのヘンテコな、何故かウィンナーとカニカンの入ったコンソメスープ。




自分でも作れるかな。



そう思って味様見真似でスープを作ってみることにした。
あいにくカニカンは家になかったので、ウィンナーとキャベツや人参などを入れてみた。



スープをお皿によそうと湯気が私のメガネを曇らせる。
一口、ゆっくりすすってみる。





あたたかくておいしい。



まるで体全体にスープのエキスが駆け巡るよう。



暖かい。


コンソメのスープの最初へ コンソメのスープ 0 コンソメのスープ 2 コンソメのスープの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前