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年の差
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年の差-1-1

「…え?もう一年?」
高井が驚くように言う。
別に、一年くらい付き合うのは普通じゃないのか?
「そ。あれ?言わなかったっけ?」
「いや、知ってたけど…よく北野で我慢出来るよなぁ」
「あんたはいつでも、失礼だね」
私、北野菜海。20歳。
付き合って、もうすぐで一年になる彼氏がいる。
身長は160cmだが、バドミントンをやっていたため、肩幅は広く、足は太く、細身の彼氏が羨ましい。
なんせ、やつは私がきついジーパンを易々と履いて見せるのだから。
「まぁ、いいけど…どうすんの?この先。彼氏も、もう30歳だろ?そこら辺…気にしてんじゃないの?」
「う〜ん…冗談で、『菜海と一緒の墓に入る』とか、私が先に死ぬこと前提で話してるけど…どうなんだろ?」
パソコンの近くにあったお菓子をつまみながら言う。
ここは、学校の研究室。
卒研も、佳境に入りつつあるこの時期。
最近、陸ともろくに会っていない。
ましてや向こうは社会人で、10コ上。仕事もそこそこ忙しいらしい。
「でも、俺は止めといた方がいいと思うな。」
大まじめな顔をして、私が食べていたお菓子を一つ摘む。
「何で?」
「こんな気が強い女が、家庭に向いている訳がない」
「失礼なやつだな!」
そう言って、ケータイと上着を持って、研究室を出た。
外に出て、発信履歴から彼の名前…陸を探す。
と、言っても、常にトップにあるから探す必要はないが。
発信ボタンを押す。
画面には、3ヵ月程前に撮ったプリクラの写真が、映る。
私は、こうやって会えない日でも欠かさず電話はしている。
例え、5分でも見つけたら電話する。
いくらかけても定額だから、どうせならかけた方が得だ。
3コールくらいで出る。
彼は家にいる時、いつもそれ位で出る。
時間は夜の8時過ぎ。
ちょうど、帰宅した頃だろう。
「もしもし?」
「は〜い。菜海だぁ〜」
いつも電話の時はこんな感じで始まる。
今日は、いつもより疲れているようだ。
電話に出て、甘えたような声を出す。それは疲れているというサインであることは、1年付き合ってきて分かっている。こうゆう時は、素直に甘えさせるのが1番であることを知っている。
「はぁい。どうしたの?何かあった?」
私も、優しく聞く。
さっきいた高井といた時とは、別人かと思うくらい『女』になって話す。
高井と話す時なんて、所詮『クラスメート』でしかない。
「それがさぁ〜まだ山川が、新しい女の子を見つけて、その子の良さを永遠に語られた。」
「そうなんだ。ご苦労様」
陸は、苦笑しながらも楽しそうだ。
そう、話を聞くのはしんどいが、山川さんの事は、結構可愛がっているのかもしれない。
「菜海は?まだ学校?」
「うん…今日も、遅くなるかなぁ〜」
そう。私が通っている学校は、普通の大学とは違い、高校一年に当たる『一年』から、短大二年に当たる『5年』まで、クラス替えのない工業系の学校に通っている。
まぁ…文系を出た彼は、私の考えに理解出来ないところは多々あるようだが。
「あ、そうだ!今度の日曜日空けといて」
突然、そんなことを言ってくる。
珍しい。土日完全週休二日の彼は、いつも私から、出掛ける約束をする。
だけど、今日は誘ってきた。
「今度、うちの家でクリスマスパーティーをしよう」
嬉しそうに話す。
どうも、彼は今までの彼女とは、そうやって過ごしたことがないらしい。


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