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at office
【OL/お姉さん 官能小説】

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at office2-2

「こらこらこらっ!杉下!お前は今日展示会の会場に挨拶に行く予定だろ!お先じゃないよ、お先じゃ。」
「あ。」
顔に忘れてた、と書いてあったのだろう。課長が深い溜め息をつき、昌樹に声をかけた。
「岡崎、見積り出来たんだろ?届けに行くついでに、一緒に挨拶してきてくれ。」
展示会の会場が、得意先の所有地なので、毎年開催の前には手土産をもって挨拶に行く。そこの社長が、美南を気に入っているので、担当の昌樹ではなく美南が挨拶に行かなければいけなかった。案の定、到着するなり社長はご機嫌だった。


「悪かったな、杉下。ご機嫌取りに付き合わせて。本当なら俺一人でいいんだろうけど、あの社長お前が大好きみたいでさ。俺だけじゃ不満らしい。電話の対応が愛想いいっていっつもほめちぎってるよ。」
愛想がいいのは、ただ単純に昌樹の得意先だから、という理由である。もちろんどの得意先も丁寧に対応するよう心がけているが、昌樹の担当する得意先は特に、大いに私情が入ってしまう。いけないなぁ、とわかってはいるものの、やはりこんな風に昌樹の口から褒められると嬉しい。昌樹の前では仕事の出来る人でいたい。
さっきまでのどんよりした気持ちが少し晴れた。
「岡崎さんだって、いっつも社長が電話で褒めてますよ。仕事が早いって。」
「あったり前、あの社長怒らせたら怖いから、すぐするもん。だから今朝言われた見積りでももう持っていけたってわけ。これで叱られなくて済んだだよ。」

叱られるなんて、自分に気を使わせずに一緒に来てくれる為の口実だ。
いつも昌樹のこういう気遣いに救われる。その度に昌樹を好きだと確信してきた。
そして、好きだからこそ昨日の真意を聞きたいと思う。もし昌樹にとって、昨日の出来事が過ちだったなら、二度とこの事は口にしない。今までも気持ちを隠し通してきたのだから、隠し事の内容が変わるだけだ。でも、昨日の行為に愛情がなかったなんて信じたくない。美南が意を決して顔を上げたのと同時に、

「昨日は、ごめん。…反省してる。」
昌樹の突然の発言に驚いて、話し出すタイミングを完全に失った美南は、ただ昌樹を見つめた。
昌樹は一度目を会わせてからバツが悪そうに目をそらせた。
息が詰まって苦しい。
「…なんで、謝るんですか?」
「だって、お前昨日相当酔ってたし。酔ってる女の子に手出すなんて最低だしな。」
本当に反省してる、ともう一度繰り返し、美南の目を見て、またすぐ逸らす。
「何か杉下って、いつも弱み見せないじゃん。仕事はできるし、飲みに行ってもフラフラになったことないし。それが昨日は、俺がいないと歩けないし、そんな状態で泣きそうな顔して服の裾捕まれたら、もう気持ち抑えるの無理になった。って、言い訳だけどね。杉下が雰囲気に流されて俺に抱かれたんだとしても責めないし、忘れてほしいなら忘れるよ。」
昌樹の話している事が分からない。昨日は確かに酔っていたけど、昌樹に好きだと伝えた。それが酔った雰囲気に流された言葉だと受け止められたのなら、悲しすぎる。混乱する頭を必死に落ち着かせるように、唇を噛んで俯いた。
「…どうして、私が雰囲気で抱かれたと思うんですか?私、昌樹さんが好きなんです。忘れるなんて、出来ないです。」
「え?」
「昌樹さんは、酔った子に手を出すような、軽い気持ちで私を抱いたんですか?」
息ができない。喉の奥が痛い。俯いた視界の先に自分の握りしめた手だけが見える。こんなに力の入った自分の手が何だか惨めに見えた。


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