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at office
【OL/お姉さん 官能小説】

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at office2-1

その日は、いつもより早く目覚めた。時計は5時を指していた。
何だか肌寒い。腕をさすって初めて自分が何も着ていないことに気付く。はっとして視線を落とすと、昌樹が眠っているのが見えた。
ぎゃっ!!と声をあげそうになるのを何とか押さえ、とりあえずシャワーに逃げ込もうと、慌ててバスルームへ向かった。熱めのシャワーは頭をすっきりさせてくれた。あんなに気持ち悪かった酔いも完全に覚めた。

しかし頭がすっきりしてくると、昨日の行為がありありと思い出される。
昌樹の腕が、指が、唇が、舌が、髪が…。全てがこの体に触れたのだと思うと恥ずかしくて一人で顔を紅潮させる。このままでは昨日の熱が復活してしまいそうだ。昌樹が自分の部屋で自分のベッドに寝息をたてている時に、お風呂で一人で濡れ場を想像していることがひどく恥ずかしくなり慌ててバスルームをでる。


昌樹がまだ眠っているのを見て安心し、静かに会社に行く準備を済ませた。7時45分に家を出れば余裕で出社時間に間に合う。昌樹を7時に起こしてあげればシャワーもできるだろう。昌樹がシャワーをしている間にトーストを焼けばいい。新婚にでもなった気分で浮かれていた。
だが、今は6時過ぎだ。昨夜は睡眠時間が短かった事もあり、うとうとしはじめた。

♪♪♪♪♪♪♪♪
派手なアラーム音で飛び起きた。目覚まし時計が、6時半を知らせる。
慌てて目覚ましを止めたが、アラーム音は昌樹を目覚めさせるのに十分な音量だった。
「ん〜、おはよう。」
「おはようゴザイマス…。」
ベッドの上の目覚ましを止める為に昌樹に覆い被さるようにしていた美南は、昌樹に見上げられ硬直してしまった。
「なに、俺の寝起きを襲うつもりだったの?」
と聞かれ、違いますっっ!と慌てて離れようとした。しかし昌樹は美南が離れないようにぎゅっと抱き締めた。
「…昌樹さん…。」
離して、と伝えたかったが、離れたくない。
「ん〜、シャンプーのいいにおい。」
そう言ってすぅ、と鼻を鳴らした昌樹の声が、どこかおどけていて、慌てて体を離した。
「シャワー使ってください。パン、焼いておきますから。」
なるべく昌樹の方を見ないように伝えた。
きっと今、自分は真っ赤な顔をしている。昌樹を呼ぶ自分の声に比べて、昌樹の態度が、軽い。朝からベタベタしたいわけではないが、自分一人だけ浮かれているようで、恥ずかしくなった。


シャワーを出た昌樹は、さっさとご飯を済ませ、
「一旦帰るわ。」
と言った。
え?と聞き返す美南に、着替えたいから、と言い残すと、さっさとドアの方へ向かう。慌てて追いかけたが、待って、とも言えない。
確かに着替えたいだろう。早く起きたから帰る余裕もある。でも、そうじゃないのに。少しでも一緒にいたいのに。



何だか沈む気持ちを押さえて、仕事にでかける。
相変わらず展示会の準備でバタバタした雰囲気のまま、一日が過ぎる。今日は昌樹の顔が見られない。きっと、いつも通りの顔をしている。当たり前だし、うろたえられても困る。そんなことは充分わかっているが、昌樹のなにくわぬ顔が、今日はひどく冷たく見える。自分だけが浮かれていた事を教えられているようだ。
あっと言う間に、仕事が終わる時間になった。仕事中じゃやっぱり話するのは無理か、と諦め、帰る事にした。
「お先に失礼します。」
美南がフロアにいる皆に届く声で挨拶をすると、一番奥から課長の慌てた声で呼び止められた。


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