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コンフリクト T
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コンフリクト T-7

「まさか“三将”の一角が女だったとはな……」

谷口は道理で、と付け加えるように呟き、もう一度視線だけを翔達に向ける。そして言った。

「頭が女だろうが、容赦する気はねーぞ。東は潰す」

谷口のその目には、未だ鋭さが宿る。言葉の重さも、変わる事はない。

「精々死なねーよーにお祈りしとけや」

谷口はそれだけ言い残し、その場を立ち去る。凄みのある声が、翔達の耳に重くのしかかるように残った……

「あれが谷口祥……怖ぁ〜」

嵐が過ぎ去ったかのように、辺りは静寂に包まれ、緊張の波も引いていった。
翔は萎んだ風船のように息を吐いた。飯田も久しく味わう事のなかった緊張に相対し、ようやく息をつく。

「最悪の事態は免れたとはいえ、状況は芳しくありませんね」

飯田は眉間に指先を当て、座り込む翔を見遣る。

「何とか向こうが宣戦布告した形になったものの、全面戦争は避けられません」

飯田が降らせる言葉に応えるでもなく、翔は地面に“の”の字を書いている。

「頭。明日、幹部を集めて話し合いましょう。今日は、お疲れ様でした」

翔が顔を上げると、そこには飯田の陽射しのように温かで優しい笑顔。翔は頷き、ゆっくりと立ち上がった。

「斎……東はボクが守る」

決意を胸に、飯田の前を歩き出す翔。その小さな背中に、大き過ぎる荷物を背負い……



翌日。
白嵐高校の一室。表札に“幹部室”と書かれたそこに、翔と飯田は居た。
昨日の件で、話し合いの為に幹部を召集した飯田だったが……

「集まった幹部はお前だけか……」

その場に居たのは、奥のソファで爪の手入れをする翔と、その傍らで腕を組みながら思案中の飯田、そして机の上で胡座をかく金髪にバンダナを巻いた男子生徒の3人だけだった。

「みんな、バイトや遊びで忙しいみたいだかんね〜」

溜め息混じりの飯田に、軽い受け答えをする金髪バンダナの生徒。
ツンツンと無造作に尖った金髪にバンダナを巻き、学ランを着崩した様は、如何にも不良。しかし顔はアイドルばりに甘く、女生徒から可愛いと評判だった。
彼は、翔と飯田を含んで白嵐に5人存在する幹部のうちの1人、小林春。
見てくれはお調子者の小兵だが、幹部に名を連ねるだけに実力は十分と予想出来る。
彼以外に、もう2名幹部が存在するのだが、今日は不在のようである。

「春が居るだけマシじゃん。ウチの奴らは協調性ないから」

「天上天下唯我独尊を絵に描いたようなメンバーだしね」

指先に息を吹きかけながら、まるで他人事のように翔は言う。小林もそれを当たり前のように肯定する。


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