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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?〜鬱屈飲酒と意外情事〜-13

「…少なくとも、人望はあると思うんだがな?」
次々とメールを開封する誠司の脇で、健介がにやにやしながらデスクに寄りかかる。
「だから…人望があったって、成果がなきゃ昇進なんて…」
それをまた流そうとする誠司だったが――

「……業務メール?」

その言葉は、困惑の響きを含んだものにすり替わる。
「…間違いか何かで届いたのかな…」
現在、誠司の仕事らしい仕事は同僚の手伝いぐらいしかなく、直接自分に回ってくるような仕事はほとんどない。故に彼は、業務メールというタイトルに疑問を抱いた。
誠司の会社では、課の仕事自体はまず課長に回る。そこから課長が適任者を選び、課の人員に割り振っている。誠司はその段階で完全に除外されているから、業務メールが来るというのはまずあり得ないのだ。
「開けてみりゃいいじゃねえか。もしかしたら案外、お前宛てのかもしれないぜ?」
「ないない。中を見たら、転送しとかないと。本来の宛先じゃない俺が見るのはちょっと気が引けるけど」
茶化す健介にやれやれと首を振りながら、誠司はマウスを動かしアイコンを件の業務メールに重ねる。そして人差し指がマウスのスイッチを叩き、メールを開封した。
「どれどれ…」
内容が画面に映し出されると、誠司の脇から健介が画面をのぞき込んでくる。
「健介、だからこういうのは普通本来の宛先じゃない人間が」
――見るべきではない。

そう言うはずだった。

『Title:業務メール
倉本 誠司殿。
本日12:15に20階社長室までご足労願います。
       秘書課』

「マジでお前宛てかよ」
先に口を開いたのは健介。半ば冗談で言った事が現実になり、唖然としている。
「……社長室?」
そして誠司。目を軽くこすってから、再び画面に向き合う。

『Title:業務メール
倉本 誠司殿。
本日12:15に20階社長室までご足労願います。
       秘書課』

内容は変わらない。全く同じものである。
「……いたずら?」
「んなわけあるかっ。送信元は確かに秘書課のアドだぞ」
あくまで疑ってかかる誠司に対し、健介はそれを否定する。だが、誠司自身は懐疑の思いを払しょくできない。
「送る理由がないだろ」
「んなもん知るか。とにかく指定された時間に社長室に行きゃいいだろうが」
呆れ声で健介は言う。軽率だな、と誠司は半ばむきになって反論を重ねる事にした。
「場所が場所だ。気安く行っていいような場所じゃないだろ。課の中でさえ存在危ういのに、下手な事で会社の最高責任者の機嫌損ねてどうする?クビ確定だぞ?」
「でも本当だったらどうする?それこそ機嫌損ねたら、じゃねえか」
あっさり瓦解。誠司はたじろぐ。健介は腕を組み、眉間にしわを寄せた。
「とにかく行ってくりゃいいだろ。最悪、謝ればいい」
「簡単に言うなよ」
「行かないよりはずっとマシだろうが。なんでもいいから昼、絶対に行けっての」
挙句ばっさりと切り落とされてしまった。誠司の口から、「勘弁してくれ」という嘆きが漏れ出る。
ひとまず、この業務メールが間違いでない事を祈るしかないようである。


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