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無理だと分かって…
【ガールズ 恋愛小説】

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無理だと分かって…-2

「おっはよぉ〜!亜紀ぃ!会いたかったよぉ〜!!」
そんな事考えていた方が恥ずかしくなるくらい、美奈はいつものように抱きついてきた。放課後になっても、私のそばにいる。美奈の事が好きだと分かった時点で彰と別れた私には嬉しいことだったが…。とりあえず、「佐川君は?」と聞いてみた。
「いいの。亜紀も、美奈優先にしてくれたから、美奈も亜紀優先♪それに、亜紀といた方が楽しいし♪」
可愛らしく微笑んだ美奈は、やっぱり 誰よりも輝いている。でも、駄目だ。美奈が私のそばで笑えば笑うほど、胸に詰まった鉛玉は大きくなった…。
久しぶりに美奈といっぱい話した。笑い話から、ちょっとした愚痴まで、いっぱい話した。佐川君とも、あまり上手くはいっていないらしい。何となく、ホッとした。
それから、二週間後くらい。
何となくだけど、美奈がすごく悲しそうに見えた。「何かあった?」美奈に聞くと最初は躊躇っていたが、黙って頭を撫でてやると、泣きながら全部話してくれた。
佐川君と別れた。全てを否定された。『誰でもいいんだろ!ちょっとモテるからって調子にのんな!!』そう言われた。美奈が男女構わずいろんな人と話したりしているのが気にくわなかったらしい。
 
どうして私は女に生まれてしまったのだろう…私が男なら無理やりにでも、美奈を抱きしめて二度と悲しい恋はさせないと誓うのに…。
「美奈…大丈夫。私がずっとそばにいるから…。」
「……うん。」
涙を拭いて笑いかけてくれた美奈は、今までで一番輝いていた。
きっと、美奈はこの言葉の意味何て知るわけない。でも、私はこれでいいんだと思う。ただ、いつも通りに美奈と笑いあえれば、綺麗な笑顔を見て居られればそれでいい。
 
神様…もし、私の願いを聞いてくれるなら、美奈の心からの笑顔を絶やさないで下さい。私の大切な人だから…。


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