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無理だと分かって…
【ガールズ 恋愛小説】

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無理だと分かって…-1

勉強は微妙、運動だけは得意な私、松岡亜紀。私は今年の春高校に入学した。

そこで出来た初めての親友、本城美奈。
彼女は、私の憧れ。
スタイルもよくて勉強も出来て、運動音痴だけどそれがまた可愛い。はっちゃけ系の天然さん♪
男子の間でも密かに狙ってる人はかなり多いみたい…。

「亜紀ぃ〜〜!!!」
放課後、美奈が私に飛びついてきた。
「どうした??」
「あのね…何かね……これ…。」
見せてきたのは、
『美奈の笑顔は、僕に元気をくれます。その笑顔はきっと神様の自信作のはずだぞッ。でも、最近元気ないね…。これからは僕が元気をあげるよ!!by.美奈を愛する者(笑』
という内容の手紙だった。(ラブレターなのか?)
「だ、誰から…?;」
「矢島君…。これってさ、ギャグとしてとっちゃっていいよね…。」
そう言いながら、深刻な顔の美奈。…何故だろう…妙な怒りを感じた。
「大丈夫っしょ。気にすんな、元気くれるって言ってんだから。しかしなぁ、矢島も美奈だったんだぁ〜。」
「へっ!?な、何が?」
「モテますね♪お嬢さん♪」
「ないないっ!!有り得ないから!」
照れながらうつむく美奈が…すごく可愛くて、新鮮なものに見えた。綺麗だな。何の汚れもない綺麗な笑顔…。
もうすぐ夏休み。
私は、ある男子に恋をした。宮本彰。同じクラスの男子。顔はまあまあで、普通に話してて楽しい。だから…好きになってもいい。美奈に言うと、「まじで!?頑張れ!!美奈応援するから!!!」と、嬉しそうに笑ってくれた。何だか分からない悲しみがあった…。
それから数日後、上手い具合に彰とアドレスを交換し、成り行きで付き合える事になった。
 
次の日から私は彰と帰る為、美奈は他の人と帰って行った。最初は大変そうだったけど、3日目くらいには、また、あの笑顔が戻っていた。
…寂しくなった。学校でも、何となく距離を置かれるようになった。美奈なりの気遣いだろうが、美奈が離れていくようで、私は布団の中で泣いた。
…何て自分勝手何だろう…。
私は、彰とはだんだん帰らなくなり、また、美奈と帰るようになった。「宮本君は?」何て心配されたけど、いいの!と、無理やり押し通した。
・・・・・
そんなこんなで、夏休みが始まった。美奈はみんなに「いっぱい遊ぼうねぇ!」と言って行った。私も何度か遊んだが、夏休み中はバイト詰めにしてしまった私は、ほとんど遊べなかった。だんだん、美奈が遠くなってきた。
夏休みも終わりに近づいてきた頃、久々に私から美奈にメールを送った。『明日の夏祭り一緒に行こう!』美奈からはすぐOKの返事がくる…はずだった。
『ごめん。明日は佐川君と行くから、いけない((汗…ごめんね!;』
『付き合ってたっけ?』
『うん♪この前から。』
…聞いてないよ。
『私より佐川君の方がいいんだ。』
躊躇いもなく、送ってしまった…私は、完璧に異常者だ。
『何言ってんの?』
『もう、いいよ。じゃ、バイトだから』
その後美奈からの返信はこなかった。当たり前だ。私は何てことを言ってしまったんだろう…。でも、精一杯の返事だった…涙で画面が見えなくて、もう 自分が分からなくなっていた。
親友に彼氏ができた…嬉しいことのはずだ。私にも彼氏がいる。しかも、佐川君は彰と仲良いしちょうどいい………。
――…違う。私は…美奈が好きだ。好きで、好きで、…愛してるんだ。
可愛い美奈が、優しくて、頼りない美奈が大好きなんだ…。
・・・・・・
夏休みも終わり、学校がまた始まった。何となく顔が会わせずらい。


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