投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

花ときみ
【純愛 恋愛小説】

花ときみの最初へ 花ときみ 2 花ときみ 4 花ときみの最後へ

花ときみ-3

「夜桜ですね、先輩」

「そうだなー」

「この木、桜だったんですね。入試の時には気付かなかったけど。」

「おまえ気付かなかったの?」

「先輩、気付いてたんですか?」

「俺、入試の時から気付いてたよ。絶対に合格してこの桜が咲くの見ようって思ってたし。」

「さすが、花屋でバイトしてるだけありますねー。」


「関係ないって。ってか俺二次会いけなかった。帰るわ。」

「え?先輩帰るんですか」

「うん、部長に伝えとって。」


祐樹は、家に帰る。

足早に。

家までの道のりが遠く感じる。

早く、早く。

いつのまにか走りだしていた。

「ただいま」

「お………おかえり」

千枝理がいることに祐樹はほっとする。

「あたしの正体わかっちゃったね」

「うちの花屋の前の、桜だったんだな」

「せいかい〜」



少し、二人の間に沈黙が起こる。



「あのね、」

千枝理が口を開いた。


「告白させて、ください」


「あたし、桜の精なの。あなたのことが好きで好きで、人間になって気持ちを伝えにきたの。」

「祐樹が一生懸命、花を世話をするところを見るのが好きだったの。重そうな鉢を抱えて移動させたり、お客さんの話に真剣に答える姿をいつも見てた。」

「祐樹に世話される植物は幸せそうだなって思ってた。」

「だから、今日、入試のときからあたしを知ってたって聞いてすごく嬉しかったの」

「今年、花屋の前に咲く一本の桜すごくキレイでしょ?あれあたしよ?恋する乙女パワーだから」



彼女は、笑う。
祐樹も笑った。

なのに、お互いに泣きそうだった。


花ときみの最初へ 花ときみ 2 花ときみ 4 花ときみの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前