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狂人達の宴
【その他 官能小説】

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狂人達の宴-7

ー夜ー

外灯に浮かびあがる春樹の姿。時刻は8時少し前だ。
眩く輝く灯りに、たくさんの羽虫が飛び廻っていた。

その時、小さな影が春樹に向かって来る。

(あ、あれは)

それは女の子だった。

息を弾ませ駆けて来ると、春樹の前で止まった。

「ごめん…なさい。ちょっと出るのが遅れて」

春樹は感激した。自分に会うために、走って来てくれたのだ。

「い、いや、ボクも来たばかりなんだ」

「じゃあ行こ!」

女の子は春樹の腕を取ると、外灯に照らされた夜道を歩いて行った。

「と、ところでさ」

春樹は女の子に訊いた。

「なあに?」

「な、名前を教えてよ」

春樹の言葉に女の子は〈ん〜っ〉と考えてから、

「じゃあ、お兄ちゃんから教えて」

「ボクのな、名前は…春樹」

女の子は名前を聞いて頷くと、言葉遊びを始めた。

「ハルキ……ハル兄ちゃん。フフッ、おかしいか……ハルちゃんなんてどう?」

「ああ、何だか照れくさいな」

「じゃあ私は……ルミね!」

ようやく〈天使〉の名前を知って、春樹は嬉しそうに、

「ルミちゃん……か。ぴったりの名前だね」

その言葉にルミは笑みを浮かべて、

「ありがとう!ハルちゃん」

2人は傍目から見て、年の離れた仲の良い兄妹のように、手をつないで歩いて行った。

しばらく歩くと春樹は何処に向かっているのか分かったのか、

「アレッ?この先って……」

「そう、学校よ!」

ルミはそう言うと春樹の手を離れて駆け出した。

「アッ、ち、ちょっと」

慌てて春樹も後を追った。
すると、ルミは学校を囲う植え込みのそばに立っていた。

「ハルちゃん、この木の間から中に入れるのよ」

狭い間隔で植えられた柊だが、ルミが示した場所だけ少し広くなっていた。
ルミは四つん這いで柊の根元を中に入って行く。そして、春樹も真似るように入ろうとした。
が、身体が大きいから柊の葉が背中に当たり、皮膚に刺さる。


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