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さぁ満月だぞ!
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さぁ満月だぞ!Act.4-1

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日曜日1時に駅前待ち合わせ。

結局メールした私はお礼と言われ彼に乗せられ出掛ける事になった。

別に洒落てく必要もないので白いTシャツにジーパン。
ラフな格好で行く事にした。弟妹には色気ない最低と言われようが男にこびない私には関係ない。


駅前に行くとヤツはすでに居た。

『あっ!綿貫さん!』
と言って大袈裟に手を降り犬のように走って向かってくる。

正直目立って恥ずかしいから辞めて頂きたい。
私は小さく会釈した。

『今日はメガネかけてるんですね!』

ほっとけ。

『映画みるんでしょ?早くしないと電車出ちゃうよ?』
そっけないなぁ。
自分でもそう思う。
まぁ彼はお構い無しにウキウキしながらキップ買っとるがな…


夏休みのせいか電車は凄く混んでいた。
近くの手摺にしがみ付き必死に揺れに耐えた。

『綿貫さんはホラー系大丈夫ですか?』
『えぇ平気』
むしろ全然怖くなくて映画を見てる私が弟妹に怖いと言われます。

『今日はサイレントヒルを見に行こうと思ってるんです。』
あぁ…確かゲームが原作のやつだっ……ん?
もそもそとお尻に何かが触れる。
まさかな…
と思い手をお尻に伸ばしてみる。

痴漢!

2文字が脳裏によぎった。やだ…どうしよ。
とりあえず手を払ってみた。
だがしつこく触ってくる。

仕方ない。
私も恥ずかしいけど
こういう公共迷惑には…
と息を吸い込んで手を掴んだ瞬間


『おっさん…汚ねぇ手どけろ』
物凄い形相で彼は痴漢に呟く。

『綿貫さんこっち』
と言って私を窓側に寄せる。
何か彼は痴漢に呟いた後こっちを向き私をガードしてくれた。

私も恥をかくから大きな声を出さなかったんだ。


い、良いとこあんじゃん。

次の駅で痴漢のおっさんはそそくさと降りた。

『大丈夫ですか?』
と言って顔を覗きこむ。
私はうんうんと頭を上下する。
顔が近い。
体も近い。
顔が赤いのバレちゃうじゃん。
そんなに見るな。ばかっ!


到着駅に降りると上映時間までに時間があるのでミスドに入った。


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