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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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高崎龍之介の悩み 〜女難〜-5

「あふ……」
 欠伸をして、龍之介は目を開けた。
 腕の中では、美弥が安らかな寝息を立てている。
 美弥は睡眠時間が長く寝起きがやや悪いが、睡眠時間が割と短くて寝起きのいい龍之介はそのおかげでこうして寝顔を見る事ができた。
 普段じっくり顔を見るとやたらに照れられてしまうので、龍之介としてはこういう時に見溜めしておきたいのである。
 恋人としての欲目を差し引いても可愛い部類に入る顔をしているし、綺麗な肌をしているのだから照れなくてもいいじゃないかと、龍之介は思うのだが。
 そこはそれ、男には理解しがたい複雑で繊細な乙女心の賜物だろうと、龍之介はいちおう自分を納得させている。
「あ……」
 枕元の時計を手に取って時間を確かめた龍之介は、思わず声を出した。
 毎朝の習慣、筋肉トレーニングをする時間がない。
「……まぁ、いっか」
 ひとりごちて、龍之介は眠る美弥を抱き寄せる。
 ――少し前に美弥から『何でこんなに体鍛えてるの?』と聞かれた事があったが……龍之介は、答を誤魔化していた。
 いくら事情を知られていても、『恵美に犯されたトラウマ克服のため』とは言いづらい。
 あの頃はまあ平均的だった体躯のせいで恵美に押さえ込まれてレイプを受けたのだから、最低限自分の身は自分で守れるようになりたいと思って体を鍛えたのである。
 今から考えると何とも単純な動機だが、あの頃の自分はおぞましい体験を忘れるために必死だった。
 今こうして腕の中で安心しきって眠る少女に、どれほど救われている事か。
 だから龍之介は美弥のためならできうる限りの事はするし、傍にいてくれる保証が得られるならこれからもできる事は何だってするだろう。
 しかしその想いの危うさは、この前思い知らされたばかりだ。
 あんな他愛ない揺さぶりをかけられただけで、美弥をあれ程傷付けた……。
「美弥……」
 龍之介は、美弥をきつく抱き締める。
「ん〜……」
 朝からシリアスな龍之介の抱擁に対し、眠る美弥は何とも呑気な声を出した。
 その呑気さに思わず笑みを漏らしてから、龍之介は美弥を揺さぶり起こす。
「美弥。おはよう」
「ん……」
 美弥は起きそうな声を出し……龍之介にしがみついた。
「ふにゅ〜……」
 そのまますぴすぴ眠り続ける。
「………………」
 可愛い。
 何だってこんなに可愛く感じるのか、自分で自分が不思議だ。
「みーや。朝だよ」
「んみゅ〜……」
 美弥は龍之介へぴたっと引っ付き、誤魔化しにかかる。
 これが眠っている間の無意識の行動だから、始末が悪い。
「美弥さーん……寝込み襲っちゃって、いーの?」
 体が欲情しかけている事を自覚した龍之介は、眠り続ける美弥へそう囁いた。
「みゅ……」

 すりすりすり。

 まるで囁きが分かったかのように、美弥は体を擦り寄せる。
「襲っちゃうよー?」
「んみゅぅ……」
 眠る美弥が、抱き着いて来た。
 さすがにこれは我慢しきれず……プツッ!と理性が切れる。
 暴走した龍之介は美弥の唇を奪い、舌を絡める。
 指先は二枚の生地の上から恥部をなぞり、刺激し始めた。
 ぐっすり眠っているせいで僅かな潤みを帯びていた秘所は、愛撫に反応してすぐに蜜を吐き出し始める。
 龍之介は指先で小粒をつまみ、コリコリと刺激した。
「んぅ……ん……」
 美弥の顔がほんのり上気し始める。
「あふ……」
 ようやく、美弥が目を覚ました。
「……………………………………りゅう?」
 ぼーっとした目付きで、美弥は龍之介を見る。
「ん〜……」
「おはよう」
 龍之介は指先を、ショーツの中へ滑り込ませた。
 頼りない繊毛を掻き分けて、潤んだ秘唇を割る。
 指先にとろみを絡ませると、龍之介は目をしょぼしょぼさせている美弥の特に敏感な場所を、優しく撫で回した。
「んぁっ!?」
 びくっ!と美弥はのけ反る。
「や、何してるのよぅっ!?」
 ようやく龍之介のぶち切れ状態を悟り、美弥は口で抗議した。
 体の方は既に、龍之介の愛撫を受け入れている。
「ぼかぁ二度も『襲っちゃっていいの?』って聞いたよ?抵抗しなかったのはそっち」
 美弥はふるふると首を振った。
「やぁ、やめっ……!」
 龍之介は美弥の着ている物を全て剥ぎ、体をうつ伏せにさせる。
 そして背中に、キスの雨を降らせ始めた。


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