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jam!
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jam! 第1話 『その日、僕に起きた出来事』-2

「…………………」

さすがに寒気がした。
いくらなんでもこうも連続して事故が起こるハズがない。しかも一日毎に規模が増している。
……狙われている?
まさか。そんな馬鹿な。僕には何かの秘密結社に入っているとか誰かの怨みを買ったとか、そんな妙なステータスは無い。
じゃあ気のせい?……その線も薄いと思う。何故なら僕は事故の瞬間にはっきりと感じたのだ。

明確な、殺意というものを。

そりゃ絶対にとは言えないし、そもそも殺意がどんなものかなんて知るワケもない。けれどあの感覚は殺意としか表現しようが無い。

「おーい。大丈夫かリショー?」

と、トラックの向こう側から僕を蹴飛ばした張本人の緊張感のまるでない声が聞こえた。
っていうか、2メートル近く吹っ飛ぶって車にはねられるのとあんま変わんないだろ。殺す気か。

……さっき感じた殺気の正体がコイツじゃない事を祈ろう。

「痛てて……タイキ、もうちょっと優しい助け方は無かったのか?」
「まぁ無い事もないが…、その場合は助かる確率は50%程低下するぞ?」
「贅沢言ってすみません。助かった」
「何、礼には及ばん。さっきの『救急キック』でも助かる確率は10%程だったしな」
「低いな!!」
「運が良かったんだろう。とりあえず警察に連絡すべきじゃないか?」
「そうだな…」

トラックが突っ込んだ場所は凄い事になっている。
……そういえば忘れていたが運転手は無事だろうか?

「心配ない。見たところエアバックに潰されてはいるが命に別状はなさそうだ」
「そうか、なら良かった」

……数分後、駆け付けた警察により簡単な事情聴取を受けた。運転手からは酒気は検出されず、居眠り運転による事故だった……らしい。

事故と決まった後も、僕の中の不吉な感覚は消えることは無かった……。


そして翌日。つまり今日。

僕は警察に向かった。
まだ予感に過ぎないが、はっきりと何かに狙われている気配がする。
その旨を伝えて調査を頼みに行った。……行ったのだが。

「無理ですね」

返ってきた返事は無情なものだった。


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