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例えばそれが、夢である必要
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例えばそれが、夢である必要-1

太陽が出始める頃に眼が覚めた。 さっきまで見ていた夢は何処かへ去り行き、手付かずの1日が始まるのを、僕は直感的に感じていた。
陽が射す。
窓の向こうに光が溢れ、夢見心地であった頭は、ようやく覚醒の時を迎える。
気持ちの良い朝だ、と僕は思った。 こんな日決まって彼女の事を思い出す。

僕と高橋が、愛した人物を。




『例えばそれが、夢である必要』

あの頃僕はまだ若く、高校に入って二年目を迎える歳だった。 入学当初の緊張感も消え、そのかわりに“慣れ”といった怠惰感が人間を堕落させる、人が成長すべき大事な時期だった。
その頃僕はまだ、大人へのただ漠然とした夢と子供である事の甘えとで構成されていた。 責任を問われればまだ子供だから、と。 反抗を指摘されればもう大人なのに、と。 言うなれば行き場のないエネルギーを、ただ消化するだけの日々をおくり、排他的な世界を恨む事で自由を手に入れんとしていた。

そんな時に彼女に出会った。
出会いはしょうもない文化祭の日。何処のクラスも同じ様な出し物をし、自己陶酔と自己満足を存分に味わう事で盛り上がりを見せる文化祭の日だった。

その日から僕は、変わってしまったんだ。



◆ ◆ ◆

我が高校の文化祭は3日間にわたり行われ、一日目は校内で模擬店や各教室などで出し物がなされる。二日目と三日目は近くの行事用ホールを貸し切り、舞台の上で劇やダンスといった催しを行う事が定番とされていた。
そして、三日間全ての出し物の善し悪しをポイントとして換算し、その合計ポイントで最優秀クラスを決める、というのが我が校の文化祭であった。

僕が彼女と出会ったのは文化祭初日、僕がクラスで受付をしていた時であった。
僕のクラスはお化け屋敷をする事になっていて、クラスの半数がオバケ屋敷を担当し、もう半数が舞台行事を進めていく、といった形で進められていた。その際、死んでも舞台に出るなんて事は嫌だったし、オバケ役も死んでも嫌だったので受付という一番落ち着いた役どころが僕に回って来たのだった。

当日、僕はクラスの入口に机を二つ並べ僕の唯一の友人である高橋と、学生達がお化け屋敷に入って行くのを見送るという仕事をこなした。 様々な学校の学生が現れては中に入って行った。中はなかなかスリルがあるお化け屋敷らしく、時折人が叫ぶ声が聞こえて来た。
高橋は携帯電話を触りながら時間を潰し、僕は小説を読みながら受付をこなした。 時たま高橋の友達と思われる奴が声をかけてきて、高橋と話していったのを僕はボンヤリと聞いて過ごした。
文化祭にしてはいつもと変わらない空気であった。 高橋とはいつもの様にどうでも良い話をしたし、小説の世界は変わらず僕の味方であった。

しばらくたってからの事だった。 突然、高橋が僕に絵を描いてくれと頼んで来た。
「頼むよ、タケダ。ほら、お前絵うまいだろ?やっぱさ、せっかくの文化祭なんだしさ」
大体、こんな内容だった。 高橋はそう言って、どこからとも無くスケッチブックと鉛筆を取り出し僕に渡した。 僕はやんわりと断ったのだが、高橋はそれを許さなかった。


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