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伝えたい気持ち
【学園物 官能小説】

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伝えたい気持ち-1

―――――は〜…マジで暇。

俺、こないだ高校卒業したての18歳、名前はリュウ。
自己紹介はこんなもんだとして…俺は暇なんだよ。
高校卒業おめでとうございます、なんつったって、就職決まってねーし。
え?大学?勘弁してよ、何も目指すもんなんてねぇんだから。


俺は卒業してからというもの、毎日グータラ生活だ。
とは言っても、好きでグータラしてるわけであり。
高校時代頭は良かったから、今までいろんな局地に追い込まれたがスルー出来た。
遊んでいても怒られないし、テストなんざ、点さえ取ってりゃ文句はない。
しかも俺、女にも困ったためしがない。
ルックスは女ウケするだろ、だってこの俺だぜ?って感じで、俺は王様だった。
「日替わり弁当と一緒じゃねーの、女なんか」
学校の伝説になってる、俺の名ゼリフ。笑
だからまぁ暇だといっても携帯にはじゃんじゃん連絡入るわけで。
でもそいつらを構ってやるのも最近飽きてきた、そんなところだった。


今日もこうやって暇な一日が過ぎてくのかぁ〜、と思いながら、早朝目が覚めた俺はプレステに手を伸ばした。
と、ふいにプレステソフトの上の棚に、片付けずに無造作に積まれていた教科書類がバサバサッと落ちてきた。
余りに大量で埃が舞う。
「・・・・・・くっそ〜」
はぁ〜と一つため息をついて、片付けようとしたその時。
薄っぺらな美術のテキストに挿まれた一枚の紙がヒラヒラ舞った。
綺麗な文字で何かごちゃごちゃ書いてある。
「・・・・・?」


『―――――海を見て涙が出ました―――――
―――――コバルトブルーの深さと孤独―――――
―――――090―××××―××××―――――』


・・・・・は?
このメモを書いたやつ、相当やべぇよと思った。
しかも俺はこんなメモを受け取った覚えはない。
ちょっと狐につままれたような気持ちになりながら、とにかく残りの教科書を片付け、俺はメモの正体について考えた。
確かに選択科目で美術を専攻していたが、テキストなんざ開いた覚えもない。
でも変なメモが入っていたのは事実で、しかもケー番が書いて…
あ!携帯に電話しちまえばいいんじゃん!
今、時間は早朝の6時。だが俺はお構いなく携帯番号にかけた。

―――プルルルルッ、プルルルルッ

出ねぇ気してやがる…と思ったその時。
「・・・・・もしもし」と女の声。
出た!やっぱり予想は的中、ケー番は女だった。
「もし。俺、リュウだけど。ちなみにあんた誰?」
「・・・・・?」
「美術のテキストに変な紙挿んだのあんただろ」
「・・・・・」
「あ〜それともいたずらで、あんたのケー番書かれちゃったとかいうやつ?」
「・・・・・」
「それならそれでいーけど、別に暇だし今日遊ばねぇ?」
「・・・・・」
女には百戦錬磨の俺にとっちゃ、やっぱきっかけを逃すわけにはいかねーし。
変なメモにはムカつくけど、相手が女なら今日の暇潰しにゃなるだろ。
ま、こんな電話で誘われて、わかったなんて言うやつはいねーな、と思いなおしたが、返事は意外なものだった。
「・・・いいよ。どこに行けばいいかな。リュウくんち?」
さすがの俺もびびった。こいつ意味わかってんのかな、と疑ってしまう。
「ああ。俺んち学校裏の黄色の屋根だから」
「わかった。あたしすぐ準備できるけど?あーでもシャワー浴びた方いいよね」
・・・・・意味はわかっているらしい。
「まぁ俺んちで風呂入ってもいいんじゃねぇの」
「わかった。じゃぁ8時に」
そうして電話は切れた。
しかも名前聞いてねーし。
しかもテキストに挿んだ真相とか知らねーし。
しかも大事なこと聞かねーで、ヤる約束しかしてねーし…。
謎だけが残った俺は、とにかく8時まで頭を悩ませていた。
同時に、どんな女が来るのか興味津々だった。


公務員の両親が仕事に行って、もうすぐ8時という時。
「ピンポーン」と玄関のチャイムが鳴った。
俺の部屋にもインターホンがあるので、俺は別に玄関に迎えにも行かず「二階上がってつきあたり左の部屋」とだけ言って、女が来るのを待った。
ガチャッと玄関のドアが開閉し、トン、トン、と階段を上がる音がする。
俺の部屋の前まで来た女は「おじゃまします」と小さく言うと、俺の部屋のドアを開けた。


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