絶世の美女は災厄の女神-8
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戦いは終わった。
レオフォールド王国に奇襲を掛け、占領せしめんと企んだゴルドバ軍は壊滅。生き残ったわずかばかりの兵達も、命からがら本国へと逃げ失せたと聞く。
飛行船乗りの男と、小さな飛竜に乗った騎士、その後なにやら駆けつけたレオフォールドの軍隊にとっ捕まり、馬鹿げた騒ぎを起こした張本人として、二人とも仲良く牢屋に入れられているとか。
リアキナモーカナを取り合って乱闘騒ぎをしていた人々も、どうやら騒いで居る内に日が暮れてしまい、気がつけば時間切れでもって、全員リアとの婚約権利を失ったと、そのまま大草原で持って残念会の酒盛りを始めたらしい。昨日の敵は今日の友とばかりに、誰彼とも無く、酒を酌み交わしたのだった。
春の花咲き乱れる良き日の出来事である。
後日、宿敵ゴルドバ軍を打ち破る事が出来たのは、リアの功績によるものだと、誰かが報告をしたらしい。リアキナモーカナは王様に呼ばれるや、レオフォールドの首都にある王城へと招かれて居た。そしてありがたくも、ご褒美なんぞをもらる事となったらしく、かくも盛大なるパーティーまでもが、模様されたのだった。
「どうじゃおぬし、ワシの息子である王子の妃になってはくれまいか」
どうやら王様もリアの事が気に入ったとみえる。そんな事を言いながら、末息子である、まだ子供と言ってもいいだろう、若い王子の肩を叩いて彼をリアに紹介してきたりもする。
だがリアはそんな玉の輿には興味が無いらしい。
「低調にお断り申し上げます」
そう言う彼女の顔を見て、幼い王子もホッと胸を撫で下ろしていた。
「そうかぁそれは残念じゃのう。そうじゃ！ だったらリア殿、ワシの后として２号にならぬか、どうじゃ不自由はさせないがのっ」
このエロ爺っ！ それこそごめんこうむるわっ！ リアがそう思ったその時である。
「ぎゃあーーーーっ！」
お后様が履いていた赤いハイヒールの踵が、王様の足の甲へと、突き刺さっていた。
おしまい。