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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第九章』-5

昼休み
秋冬のクラスの教室に、いつものメンバーが揃った。
「そういえば赤沢ってどこに転校したんだっけ?」
「北海道じゃなかった?」
秋冬と春夏は楽しそうに話している。
「赤沢って?」
優魅が聞いた。
「オレのとも…いや、親友かな。随分前に引っ越しちゃってさ、もう連絡も取れなくて。」
「親が転勤ばっかなんだっけ?」
春夏が言った。秋冬はうなずく。
「そうそう。それでいつの間にか連絡先も変わって。そいつとオレと姉貴の三人でよく遊んだりな。」
「赤沢ってゲームがマジで弱くて、マリ○カートなんかドリフトすらできないんだから。」
「キ○ピオばっか使ってたな。」
二人は笑う。それを優魅はうらめしそうに見ていた。
「ゲーム最近やってねぇなぁ。」
澄が言った。
「今度オレん家でやるか?オレの部屋スー○ァミしかねぇけど。姉貴が新しいの全部持ってくから。」
「うるさい。」
みんなが笑う。
「あ、私集合かかってるんだ。行くね!」
優魅が立った。
「頑張れ〜。」
優魅は走っていった。
「赤沢ってどんなやつよ?」
澄が言った。
「そうだな。目立たなくて、頭良くて、口達者で。」
「ゲームが弱い。」
春夏が自分で言って笑った。
「あ、昼休み終わるぞ。」
澄が時計を見て、パンのゴミをゴミ箱に捨てた。他のクラスの春夏と梓はは弁当箱を片付ける。
「じゃまた。」
二人は教室を出た。千里はトイレに行った。
「おい、四世弟。」
澄が秋冬の肩を押さえた。
「ん?」
「言うつもりじゃなかった。この三か月、あの子が望んだ結果がこれだから、見ないフリしてた。」
秋冬には何の事だかわからない。
「だけどもう、見るのも辛いんだ。可哀相でならねぇ。悲しそうな顔するんだ。」
澄は秋冬を睨んだ。
「優魅ちゃんの事、ちゃんと見てやれよ!」
秋冬は澄の剣幕に、何も言えなくなった。
「お前が四世姉の事、楽しそうに話す度に!…泣きそうな顔見せるんだ。」
「ん…んなわけあるかよ。別にオレは浜崎さんを…、」
「傷つけてるつもりはねぇってか!?だったら教えてやる!!!」
澄は乱暴に秋冬を離した。
「…今日優魅ちゃん、集合かかってねぇよ。」
「…えっ……?」
秋冬は驚いた。自分を、殺したくなった。
「お前と四世姉の事見たくなくて、逃げたんだよ。」
秋冬の頭は、真っ白になった。
「中途半端に人に優しくしてんじゃねぇよ。優魅ちゃん、傷ついてんだよ。……もう、見たくねんだよ。」
昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。
澄は秋冬を見た。
「勝負しろ。」
「…は?」
「オレが勝ったら、お前…優魅ちゃんと別れるか、四世姉諦めるか、ちゃんと決めろ。」
「…お前が負けたら…?」
「今後お前がなにしようが誰傷つけようが、文句言わねぇよ。」
秋冬は澄を見て、言った。
「乗った。勝負方法、放課後までに考えとけよ。」
秋冬は不敵に微笑んだ。澄は寒気を覚えた。
「お前がちゃんと勝てるゲームをな。」


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