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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.5-5

「……っ!?」

引くに引けない腰を弥生の細腕は掴んで放さない。
パール系のライトブルーに彩られた涼しげな爪先が、ゆっくりだが確かな動きでジッパーをヂヂヂヂ…と下げた。そして下着とズボンをゆっくりと下ろしていく。
瀬田はその様子を黙って見つめる。
何もしないのではなく、何も出来ないのだ。ただドキドキと胸を高鳴らせ、弥生の行動を見守る。

固く熱くいきり立った雄芯。

生暖かいソコに包まれる。

そして二人は繋がったのだ。


その後の記憶はひどく曖昧だ。初めてだからかよく覚えていない。
そしてその後も何度と無く繋がった。最近だと二週間前だ。

好きだとは特に言った覚えは無い。
付き合う時も『一緒にいたい』と曖昧に……だけど二人を結び付けるに充分事足りる言葉で済ませた。
二人にとって言葉はあまり大切では無かったのだ。

キスをして、抱き締め合って、愛して、愛されて、二人は繋がった。
淋しくなったら電話をして、暇な時はメールをして、お互いを知り合う時間を積み上げて来た。
学校では目も合わさないが、不思議と不安ではなかった。だから怪しまれる事も噂になる事もなかった。

幸せだった。

だがその反面、瀬田はいつも怯えていた。
終わりが来るのをいつも恐れていたのだ。


弥生は行為が済んだ後、必ずと言っていいほど窓の外を眺めた。
時には薄いカーテン越しに。時には車のフロントガラス越しに。
瀬田はいつも思う。

『先生はどこかに飛び立ちたいのだろう』

確信に近かった。
そのぼんやりとした表情のなかで、黒々とした瞳はハッキリと主張していたのだ。
だが瀬田は言えなかった。
終わりが来るのが恐かったのだ。
だから今、部屋に入った時も驚きは無かった。
とうとう来てしまった、来るべき日が来た、予感が的中したのだ。


瀬田は夏の夕陽に照らされた床に腰を下ろし、下界を見せまいとするベランダの壁を睨んだ。
このアパートは柵では無く壁なのだ。間違って落ちる心配は無いが、風情の良いものでは無い。

(……あ…)

瀬田は四つん這いで窓に近付き、ベランダへと移動した。そこにはキラリと夕陽を反射する小さなプランターがあった。
弥生の唯一の私物が残されていた。
白いプランターは所々汚れていて、ずっと陽に当たっていたせいか劣化が見られる。
土はデコボコ。雑草の類いも何も無い。
瀬田は懐かしむ様にプランターを指でなぞり、深く目を閉じた。
思い出すまでも無く、幸せだった日々が脳裏にフラッシュバックする。

……先生の『儀式』……

瀬田は傾き始めた夕陽の中で記憶の糸をまた辿り始めた。


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