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Old Fashion
【青春 恋愛小説】

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Old Fashion-1

痩せたポニーテールの女生徒が前に立って話している。

高校生徒会の立会い演説会だ。

「私は本当は出たくありませんでした・・・・」

(出たくなきゃ出なきゃいいじゃねえか・・・どうせ俺には関係のない、いい子ちゃんなんだろう)

それが第一印象だった。



翌年、クラス替えで同じクラスに彼女がいた。

利発な女の子で授業でも休み時間でも何故か目立っていた。

しかし僕には少し違和感があって敬遠していた。



彼女の視線に気がついたのはある日の朝礼からだ。

後ろのほうからクスクスと小さな笑い声が聞こえ、振り向くと彼女が人影にさっと隠れた。

それから頻繁にそんなことがあって僕は困惑した。というよりは(舐めてんのかコノヤロー)という気分だった。



彼女の部屋に行ったのは、悪友の上川が彼女と親しくなっていたからだ。上川は高校生のくせにやたらと経験が豊かで何人もの女の子と同時に付き合うのは当たり前、付き合えばsexするのは当たり前というヤツだった。授業で理想の女性像を問われ「泣く女」と答えて先生を驚き呆れさせたこともあった。



上川の話では彼女の両親は離婚していて、彼女は高校から一駅向こうのアパートで一人暮らしをしており近くに住んでいる叔母さんに何かと相談に乗ってもらっているらしいということだった。



上川と一緒に吉野(彼女の名前だ)の部屋へ行くと他クラスの女子が一人先に来ていた。

親友だと紹介された。全く目立たないどちらかというと暗い印象のその女生徒が吉野の親友だということを少し不思議に感じた。

僕たちは音楽をかけて学校のこと、好きな歌のこと、半端にかじった政治のことなんかを喋りあった。

そのときわかったことは、けっして吉野が「いい子ちゃん」なんかじゃないということと僕よりもずっと物を知っていて遥かに大人なんだということだった。

会話が途切れ、僕は何気なくゴロリと横になり目を瞑った。部屋には失恋した女性の気持ちをさらりと歌った歌が流れていた。

と、誰かが僕の髪に触れるのを感じた。あわてて起きあがる。

「髪の毛が立ってたから・・・硬い髪ね・・」悪びれた様子もなく吉野が言った。

(女の子に頭を撫でられるなんて・・・)僕は何だか子ども扱いされたような気分になってみんなより先に帰ってしまった。


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