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秘中花
【幼馴染 官能小説】

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秘中花〜堰花〜-3

初めて快楽を知ったのは7つ。
能舞台で宗家に見初められ、師事して17年。
指と口で始まり、二次性徴を迎えた頃に童貞を摘まれた。それ以来、様々な男女との交歓を覚えてきた。
しかし快楽を知れば知るほど、心が廃れ死んでゆく。

覚悟はしていた。
覚悟はしていたはず…。
だが…こんなに長く続くとは思わなかった。

強くて潔くて、偉大なる祖父の七世・若月史郎。 
(おじいちゃんみたいになりたい…)
幼な心ながらも憧れだった。
一度は衰退した若月家を、若くして立て直したほどの…。亡父ですら敵わなかった、宗家も一目おくカリスマ性。
人は誰でも高みに立ちたい。
憧れに追いつきたくて、史郎が一度たどった運命を自ら受け継いだのだ。
そう。
舞のために俺は望んで、宗家に飼われた。

家族は知っている。
仁忍も知っている。
ただひとり、凛子だけが知らない。

(ああ……)
知られるのが怖い。
あの無邪気でまっすぐな笑顔が、嫌悪と軽蔑に歪むのを見たくない。
嫌われたくないと思えば思うほど、秘密が増えてしまう。打たれ弱く臆病になってしまう。
だけど、だけど…
何度生まれ変わっても、俺はこの運命を選ばずにはいられない。
代々と継承されてきた螺旋の中。
がんじがらめになっても諦めない。時間をかけて丁寧にほぐして、俺はまた俺を、再構築するんだ。


ただひとり、凛子だけが知らない――…。


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