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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第八章』-7

「失礼しまーす。」
秋冬は家庭科教室に入った。
「あ、秋冬君。」
そこには千里がいた。
「なにしてんだ?」
「みんなにミシンの使い方とか教えてるんだ。わからない子とかいるしね。」
秋冬は教室を見渡した。確かに、なんだか慣れてない子もいる。
「そっか。じゃぁオレも手伝うよ。」
「できるの?」
「任せろ。誰に教えればいい?」
「じゃぁ阿部さんに教えてあげて。」
「了解。」
秋冬は阿部に近付く。
「阿部さん、教えてあげるよ。」
「えっ!?秋冬君!!??」
阿部のテンションがあがった。
それを、千里は見ている。
「あははっ、いい感じじゃん。」
千里は作業を続ける。





放課後

よろず部のメンバーは、部室に集まっていた。
「なんで私まで呼ぶのよ。」
春夏は半ば強引に連れてこられ、少し不機嫌だ。集まった理由は、優魅の事についてらしい。秋冬としては、居心地が悪い。
「僕、柚木さんに頼まれちゃってさ。浜崎さんを学校に連れてきてほしいって。」
自分の彼女を柚木さんと呼ぶあたり、まだ恥ずかしさが残っているのだろうか。
「昨日オレん家に、柚木さん来たぜ。」
千里は驚いた。
「マジで!?そっかぁ…。」
千里は春夏を見た。
「なんとか…できない?」
「無理よ。私と浜崎優魅ってそんなに仲良いわけじゃないから。それに…、」
春夏は秋冬を見て微笑んだ。
「恋敵がきたら、機嫌悪くなっちゃうもんねぇ?」
秋冬は舌打ちをした。
確かに、優魅は秋冬の事が好きで、秋冬は春夏の事が好き。優魅にとって春夏は邪魔な存在かもしれない。
むしろ邪魔だろう。
「しゃあねぇだろ?オレは浜崎さんと付き合う気は無いし、…あんたと付き合えるわけないんだからさ。」
秋冬は言葉と一緒に溜め息を吐いた。
「そうね。私達、姉弟だもんね?」
「そうだな。姉弟だ。マジでこの境遇を呪いたくなる。」
千里はホワイトボードを出した。
「秋冬君、電話しよう。」
「…は?」
「春夏ちゃん、作戦名よろしく。」
千里は春夏にペンを投げ渡した。
「よっし!」
春夏はキャップを口で外した。
「作戦名は…!」
春夏はホワイトボードに赤い字で、作戦名を書き進めていく。殴り書きだが下手じゃない、味のある字だ。
「『ラッブラブ!?秋冬と優魅、TELで仲良し大作戦!!!』だ!」
千里が拍手を送る。


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