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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第八章』-14

後夜祭
グラウンドでは生徒達が出店の焼きソバなどを食べたり、踊ったりしている。
もう陽も落ちて、照らすのは野球グラウンドの照明だけだ。
秋冬はグラウンドの隅で、たこ焼きを食べていた。ジュースもしっかり買っている。
「やっと見つけた。」
秋冬は顔をあげる。そこには優魅がいた。
「あぁ、探してた?携帯使えばよかったのに…。」
「自分で探して見つけたら、言おうって決めたから。」
優魅は秋冬の隣りに座る。イスは無く、フェンスを背もたれにして二人は地面に座っている。
「ねぇ、私ね?ずっと考えてた。諦めよっかなって。」
秋冬は何も言わない。聞いたほうがいいと思ったからだ。
「だって秋冬君は本気で春夏ちゃんの事想ってるから。秋冬君の基盤が、春夏ちゃんだって思ったら、なんか勝てる気しなくなっちゃって。」
秋冬はたこ焼きを食べる。形は崩れていない。
「でもね?だめなんだ…。私、秋冬君に一目惚れしてから、ずっと好きなの。諦められないの。…好きなの。」
優魅は一拍おいた。
「私と、付き合って下さい。」
ここで断れば、きっと優魅はもう諦めるだろう。秋冬はそんな気がしていた。
だけど、秋冬は優魅を自分と重ねてしまった。
「オレも、姉貴の事を諦めきれない。」
人から思われる事は、うれしい。だけど、時に辛い。自分の無力さを、実感する。
「それでも、浜崎さんがオレの事を思ってくれる。それが純粋にうれしいんだ。」
秋冬は優魅を見つめた。優魅は顔を赤くする。
「付き…合おっか?」
秋冬は微笑む。
「…いいの?」
秋冬はうなずく。
「…えへへ。」
優魅は秋冬の肩に頭を乗せた。
「ねぇ、春夏ちゃんとキスした事ある?」
「えっ!?」
「あるんだ…。」
優魅は秋冬を見る。
「…していい?」
秋冬は優魅以上に顔を真っ赤にする。
「え…えぇ?」
「だって…悔しいから。」
優魅は秋冬に顔を近付ける。優魅は目を閉じている。
秋冬も、目を閉じた。
生徒達の声が聞こえなくなった。





続く


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