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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第八章』-12

春夏は中庭の岩の上に座って焼きソバを頬張っている。
さながらおっさんのようだが、春夏は美人だとか可愛い類いに入るので、やはり人の目を引く。他校の男達が何度も言い寄ってくる。
「その焼きソバ、一つくれますか?」
春夏が目線を上げると、そこには白鳥がいた。
「やらないわよ。めんの一本だって惜しいわ。自分で買いなさい。」
「それは冷たいですね。」
春夏はまた焼きソバを食べ始める。
「今日は秋冬君とご一緒では?」
「秋冬は浜崎優魅とデート中よ。」
「それは好都合だ。ついに彼も諦めましたか…?」
「さあね。」
春夏は適当にあしらっている。
「うわさの、よろず部。」
「…?」
白鳥がつぶやいたのを、春夏は聞き逃さなかった。
「幾間千里君と、いいましたか?」
春夏は二つ目の焼きソバを食べ始める。
「そうね。」
「彼には彼女がいるみたいですね。柚木…梓さんでしたっけ?」
「そうね。」
「幾間君に、元彼女がいますよ。しかも、この学校に。」
さすがに、春夏も驚いた。割り箸をくわえたまま、白鳥を見る。
「初耳でしたか?」
クスリと白鳥が笑う。
「それ…ほんと?」
「えぇ。」
春夏は少し考えて言った。
「気になるわね。」
「でしょう。柚木さんも、どんな顔をするか…、」
「梓…?梓に言うの…?」
「もちろんですよ。付き合ってる二人の間に嘘があってはいけませんからねぇ。」
春夏は焼きソバを隣りに置く。
「言う必要無いんじゃない?あいつに元カノがいたって、別に悪い事じゃないし。」
白鳥は微笑む。
「それを彼は何故隠していたんでしょうね?」
「知らないわよ。…なに?そんなに人の事かき乱して楽しい?」
「いえ。彼の作り上げた堤防を、壊してやろうかと思いまして。」
「はぁ?」
白鳥は回れ右をした。
「そうすれば彼も気付くでしょう。自分の無力さに。」
白鳥はその場を去った。春夏は三つ目の焼きソバに取り掛かる。
「わけわかんない。」
嫌な予感は、決して拭えなかったが。





梓はたこ焼きを食べていた。素人の作るたこ焼きは、形が崩れて食べにくい。だが、それなりに美味しかった。
「まだかなぁ…。」
梓は千里を待っていた。友達と一緒にいたが、時間だからと、友達と別れた。
現在、千里は十分遅刻している。しかも更新中だ。
「珍しいなぁ。」
千里は人を待たせたりしない。必ず自分が先に来て、相手を待っているのだ。だが、それも今日で終わりかと、梓は笑った。
「遅れてごめん!」
千里がきた。
「伝説終了〜。」
「えっ!?」
「いやいや、こっちの話。」
梓は笑う。千里は困った顔をしている。


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