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由香里
【悲恋 恋愛小説】

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由香里-2

入院して最初の一週間は検査検査で体は元気で退屈な毎日を送っていたある日、中学時代の友達に電話をかけていろいろ話してるうちに由香里が僕を探している?…
由香里は銀行に就職をし、寮生活をしているとの事だった。
その電話番号を聞いた僕は早速かけてみる事にした。
すると由香里は僕が入院している事に驚き、翌日見舞いに来てくれたのだ!
ちょうどその頃、僕は彼女と別れフリーな状態だったので、告白するつもりで由香里を待った。
病室で話す事でもないと思い病院の屋上に誘い、思い切って…
『今までさぁ…ずっと好きだった!俺と付き合ってくれるかなぁ?』
僕は病気の事などすっかり忘れ由香里に思いの丈をぶつけた。
『…う〜ん…このまま友達でいよう!』
いつもと変わらぬあの笑顔で断られてしまった…
きっと由香里とはこの先も交わらないのかなぁ…そう思いながらその後23年間の空白。
今年のクラス会には来るかなぁ…来年は来るかなぁ…
そう思いながら僕も由香里も40歳を迎えた。
ほとんど記憶の片隅にしかない由香里の存在を思い出させるイベントが突然飛び込んで来た。
それは同窓生の卒業25周年記念パーティーだった。
会ってみたい友達は沢山居た…しかし由香里は特別な存在だった。しかし僕にはクラス会にさえ出て来ない由香里の出席はゼロに近いと思い半ば諦めてそのイベントに向かった。 懐かしい顔ぶれの中に中学高校時代と変わらぬ笑顔で由香里が会場前で僕を迎えてくれた。
立食パーティーが始まり2人で話すチャンスが来た!
『俺…会いたかった!』
『私も凄く会いたかった!』
お互い家庭を持ち卒業してから25年のときが経っても気持ちは持ち続けて居た。この先、由香里と どうなってしまうのか僕にも由香里にもわからない…
由香里と出会い25年間、押せば引き、引けば押し…
そんな関係をずっと続けて来た。
不思議な2人…
きっと2人にもこの先、何が起きるのかどうなってしまうのか想像も付かないが、お互いいつまで経っても接点が無い事を知りながら相思相愛の気持ちでいる事には違いないと思いながら携帯番号を交換してイベントは終わった。
今、僕は離婚をして1人で暮らしているが、由香里に連絡しようかするまいか悩む毎日…
また押せば引き、引けば押しの繰り返しを恐れながら。


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