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「保健室の小さな秘密」
【教師 官能小説】

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想いの温まる場所-1

「痛い…っ!やだ、触らないでー!」

ここは静涼高校北校舎一階つき当たりにある保健室。
悲鳴をあげている奏子を面白がってつつく。

「良かったじゃん、次の日に筋肉痛が来て」
オレの言葉に、奏子がキッと睨み付けて来る。
「ちょっと、年寄り扱いしないでよね!」

――果たして、昨日の体育祭でトラック一周走ったせいなのか、その後保健室でヤッたせいなのかは…謎ですが。
姫はご立腹の様であります。

「筋肉痛ってさ…、筋肉使うと治りが早いんだよね」
奏子の背後に回っておもむろに手をまわそうとすると、
「バッ…ちょっと!何する気?触んないでよ!?」
あれ、脅えてる…?
信用ないなぁ。ま、当たり前かと思わず苦笑してしまう。

「っていうか悠は文化祭の用意しなくていいの?」
あ、話を変えるフリしてオレを追い出そうとしてる…。

「ん〜、じゃあそろそろ行こうかな」
かなりやる気のないオレの言葉に、奏子が呆れたようにこちらに向き直る。
「やる気出しなさい!高校生はもう巡ってこないのよ」
…うーん、そういう事言うから年寄り扱いされるんだけどなぁ…。言葉にすると怖いから黙ってるけどね。

時計を見ると、10:30を示していた。
今日は体育祭が雨天延期になった場合の予備日。
生徒は自由登校だけど、ほとんどは登校して明日から始まる文化祭の用意をする。
「オレはもっと奏子といたかったなー」
耳元で囁くと、
「はいはい」
そっけない答え。

でも耳まで赤くなってるのがバレバレなんですけど。
まったく可愛いんだから。

「また昼になったら保健室来るから」
言い残して保健室を後にする。そして教室には寄らず、そのまま三階の視聴覚教室に向かった。
うちのクラスはここでホラー喫茶をする事になっている。
誰が考えたんだか知らないけど、吸血鬼や雪女のコスプレしながら喫茶をするらしい…。
まぁ、要はコスプレ喫茶ってことだよな…。コスプレは今流行り(?)だし、皆ノリノリで用意してる。

階段を昇っていると、二年生の女の子が話しかけて来た。
「悠先輩、ぶ、文化祭一緒に回ってもらえませんか…?」
目の前で小さく震えながら言う。去年は一緒に回りたいって言ってくれた子達と遊んでたっけ…。
でも今年は…。

「ごめん、今年はちょっと…。そう言ってもらえるのは嬉しいけど…」
オレの言葉に、うつ向きながら、
「やっぱり彼女が出来たって本当なんですね」

「…うん」
嘘はつきたくない。ごまかすような事もしたくない。
「誰…とか聞いちゃだめですか?」
…困ったな、言えるわけないけど。頭をかきながら必死に言葉を探す。
「えーと…」
「悠っ!あんたこんな所にいたの。衣装合わせ始めたいんだけど」
階段の上からクラスメートの青木美和(あおき みわ)が顔を出す。
「お取り込み中に悪いけど、ちょっと悠を借りるから!」
後輩に有無を言わせず、オレの袖を引っ張りながら言う。
「ごめん!」
最後に一人残された子に謝りながら、引っ張られるまま階段を昇る。


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