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プレゼント
【痴漢/痴女 官能小説】

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プレゼント-1

昔、父の友人だった人から誕生日プレゼントを貰った。
子供だった私の両手サイズのその箱は、幼心にも分かるほど煌びやかで、見るだけでドキドキさせるものだった。
開いてみると更にドキドキした。
幼児のプレゼントに似つかわしくないオルゴール。
漆黒の外観に気品と上品さを漂わせた、蝶をかたどる三色の輝く石に、驚きと共に訪れた、あの喜び。

私は忘れられなかった。
煌びやかなものに魅せられたあの思い出。あの頃の記憶は、成人を迎えた今の私を造る。
服も靴もアクセサリーも、綺麗なものを好んでいく。


当然、男も同じだった。



ギシッ、ギシッ、ギシッ
「穂乃香・・・・いい? 気持ちいい?」

今日も私は、昔の胸の高鳴りを追い求めて新しい男を捕まえた。
ナンパ待ちで好みの顔を手に入れた。

「熱いよ・・・・穂乃香の中」
ベッドの上で腰をカクカク動かしながら彼は言う。
「ぃ・・・いいよ・・・・すごく熱くて」
私に男を突き立てながら感想を述べる。
好みだった爽やかな笑顔を崩しながら、出し入れを繰り返す。

それを下から眺める私の視線は、冷めたものだった。

上機嫌で受け取り、ほどいたリボン。
あの胸の高鳴りは、箱を開けた途端、無くなっていた。

「穂乃香・・・いい?」
腰を忙しく使いながら彼は聞いてくる。
でも私の言葉も待たずに、
「俺は気持ちいいよ。すごく」
嫌になるほど同じセリフを、ハフハフと情けない吐息と一緒に出していた。

おまけに、
「いいよ穂乃香・・・・中が熱くて、すごく・・・・うっ」
あっけなくイってしまう。

前座は手抜き。
本番も自分勝手に即終了。
二度目の予兆さえ見せない彼。

「よかったよ。穂乃香の中、すごく気持ちよかった」
一人息を乱し、満足そうに覆いかぶさってくる彼に、私は空しさを覚えた。

あんなにドキドキしていた彼の笑顔が、今の私からは、色あせて見えた。




「今回もハズレか・・・・」
ホテル前でナンパ男と別れた私は、交換したばかりの番号をアドレス帳からすぐに消す。
一旦携帯を眺め、パタンと折り曲げバッグに入れる。
「あぁーあ」
暖かな夜風に押され、
「あれなら将太のほうがよかったなぁ」
歩き出し、
「晃も浩二も恭介も・・・・エッチだけは良かったのに」
歴代の彼氏の名前を並べてしまうほど、ガッカリしていた私。

ナンパで出会った、身体の相性が良かったこれまでの彼氏たち。
マザコンや暴力男。度を起こす女癖の悪さから別れることになったが、それでも半年、長くて一年は続いていた。
今日の彼の顔は一番好みだった。
これまでの男たち以上に、あの頃と似たドキドキ感で期待していただけに、たった一日の短すぎる関係に、私は落胆の色を隠せない。


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