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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩みFINAL 〜卒業・それぞれの旅立ち〜-17

 翌日。
 差し込んだ朝日が、ベッドを明るく照らし出した。
「む……」
 短い睡眠サイクルを保持する龍之介としては長めの睡眠時間だったためか、一声呻いてすぐに目覚める。
 やや寝ぼけ眼のまま、まずは隣のぬくもりを確かめた。
 常に漏れず、美弥はまだ寝ているかと思ったが……長く伸びた肢体がない。
 目を開けた龍之介は、隣を見る。
 美弥は確かに、そこにいた。
 ただ……体育座りのようなポーズを取っており、そのせいで手の捜索範囲に引っ掛からなかったようである。
「あ、おはよう」
 起きた龍之介に気付いたか、美弥は笑いながら挨拶した。
「……おはよう」
 軽く頭を振り、龍之介は挨拶を返す。
 ふと目線を横にやり……龍之介は口を開きかけて止めた。
 朝日に照らされた美弥の眩しい姿に、言葉が出てこないのである。
「……ね。我が儘、言っていい?」
 その姿にただ見とれていた龍之介は、我に返った。
「ん?」
 はにかんで、美弥は言葉を紡ぎ出す。
「今まで色々あったし、これからも色々あると思うけど……ずっと、傍にいて下さい。それが、私の望む事」
 一瞬呆気にとられた龍之介だが……すぐに微笑んだ。
「もちろん。僕はずっと、君の傍にいたい」




 <了>


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