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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩みFINAL 〜卒業・それぞれの旅立ち〜-16

 じゅぶっ……!
 
「っく……!」
「あっ……!」
 一つに蕩け合っていく個所がもたらす快感へ、二人は同時に声を上げる。
 ずりずりと腰を進めていった龍之介は、そっと美弥の様子を伺った。
 見られているご当人は目を閉じて深く息をし、自身を貫いたそれの感触を楽しんでいる。
 視線に気付いたか、美弥が目を開けた。
 そして、んふふと笑い声を上げる。
「お腹、あったかい」
「恥ずかしいからやめれ」
 満足そうな顔と声で表現されれば、龍之介としては恥ずかしがる以外に道はない。
 誤魔化したくもない血と肉体のたぎりを美弥の中で表明しているだけに、それは余計恥ずかしかった。
「だったらこんな事言えないように……ね?」
 ほのめかされる行為を察すると、龍之介は意地悪い笑みを浮かべる。
「もちろん。もうそんな口がきけないくらいにして差し上げますよ」
 悪戯っぽく言うと、龍之介は精力的に腰を使い始めた。
 幾重にも絡み付いてくる襞が織り成す快感に呻き声を上げつつ、青年は腰を振る。
「んっ……あ、ああっ……!んぁ、あああっ!」
 そんな抽送を全身で受け止め、美弥は存分に快感を貪った。
「はっ、はあっ……うきゃっ!?」
 しばらく受け身だった美弥は、いきなり視界が回ったために変な声を上げる。
 繋がっている形はそのままに、体勢の上下が入れ代わっているのだ。
 躊躇ったのは一瞬で、美弥はすぐに腰を使い始める。
「んっ……あ、ああっ……!」
 体が揺らめく度に、熱く切ない声が美弥の口からほとばしった。
 上下する腰の動きに合わせ、龍之介は美弥を突き上げてやる。
「あ、あ……!」
 一際高い声を上げた美弥が、いきなり倒れ伏した。
 体の一部分は活発な活動を続けているものの、それ以外の部分はすっかり弛緩してしまっている。
 申し訳なさそうな表情を浮かべる美弥の頬を一撫でしてから、龍之介は再び体を入れ替えた。
 少しの間だが上になって貰って休息がとれた事だしと、一息ついてから激しく腰を使い始める。
「んっ……あ、あ、あっ……!」
 激しいぶつかり合いに、美弥の全身がぶるぶる震えた。
「はっ、んっ、んんあっ……!あっ、りゅう、あああっ!」
 不意にびくっとのけ反った美弥が、お腹の中を複雑に蠢かせる。
「っうぅ……!!」
 その締め付けを直に味わった龍之介は、堪え切れずに呻いた。
 脳ミソが沸騰して射精直前なのが、自分で分かる。
「……のままっ……あっ、あっ……!」
 またしても、美弥のお達しが下った。
 射精直前でもはや逆らう意志など吹っ飛んでいる龍之介は、腰の動きを加速させる。
 愛しげに収縮する秘裂の感触に、背筋のぞくぞくする感覚を抑えられない。
「っ……美弥ぁ……!」
 一声呻いて、龍之介は動きを止めた。
 肉棒が、体の中で打ち弾ける。
「あ……」
 自分の内壁が精液を搾り取るべく蠢くのを感じたか、美弥が声を発した。
「は……っ」
 射精しきった龍之介は、美弥の上に倒れ込む。
「ん……」
 龍之介はなかば無意識のうちに顎へ手をかけて振り向かせると、唇を重ねた。
 それからゆっくりと、用を為したモノを抜き取る。
 全身が弛緩している美弥を抱きつつ、龍之介は息を整えた。
 ――しばらくして、美弥が反応してくれる。
 抱いた力を緩めながら、龍之介は悪戯っぽく言った。
「口、きけなかっただろ?」


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