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明日になれば他人
【その他 官能小説】

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明日になれば他人-4

「いっぱい愛して、僕を認めて。最高に癒してあげる」
十威の両手が双丘を掴み、根元まで埋めてきた。
「あああっ、いんいぃ!」
「…愛してるよ」
心の殻が剥けてゆく。
「んはぁ…、わ、私っも…」
十威の腰の速さに、安心して淫らに乱れまくるの。
「っああ、あっああ…」
昨日までの私はどこにもいない。ここにいるのは自分でも知らなかった新しい自分。
十威が引き出してくれた。
「樹里、樹里っ…」
名前を呼ばれるたびに、快感が高まる。切なさで疼く心音と一緒に。
これは浄化。
次に出会う恋愛のために、十威で生まれ変わるの。
今夜は私がヒロイン。


このまま刻が止まればいい。
十威の瞳に私を宿したまま。
一面ガラス張りのホテル最上階スィートルームから見える夜景に、ふたりを映しながら何度も何度も愛し合うの。


東京最後の夜に、最高の疑似恋愛を――…。


目にも華やかで美しい花火でも…後には虚しい残骸。
目覚めてみれば現実。
十威をベッドに、エスコート料+α20万円とカードキーをサイドテーブルに置いて…
ホテルを出た。
夢の名残を追い払うように、うっすらと空が明けてゆく。
これから始発で、田舎へ帰る。
常に人混みで街中が蟻の巣みたいな、醜くも汚い東京。
高層ビルでひしめく中を見上げれば、狭くちっぽけな青空。
晴れた日でも灰色に見えてしまう。
それでも、それなりに愛してきた東京。
そして、十威。
ありがとう。
たった一晩、一日だったけど。
儚くも優しい想い出を胸に、…さよならできるわ。



たまに、河川敷ですれ違うだけ。
寝起きのボサボサ髪を耳の両端で緩くまとめて、私は眼鏡にジャージ上下でウォーキングに出かける。
日課だから。
早朝の清々しくも、ちょっぴり排気ガスで毒された空気と共に交通機関が活動し始める時間。
向こうから綺麗な男の子が洒落た格好で歩いてくる。
この景色とこの時間に不釣り合いな…。
いつも気怠そうに、時々煙草に火を付けたり。
何をしてもサマで、眩しいばかりに美しい男の子。


それが十威。



それが最初。





       《Fin》


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