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『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

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『マニラバ!‐4』-1

なんだか変な気分だ。
ちょっと緊張してて、でも何だか清々しくもある。
んー、例えて言うならば、入学式の日の朝のような気分――。


舞の家から学校までは徒歩10分。
これから何かが始まりそうな期待(?)と不安を胸に、舞は学校へ向かっていた。

「舞〜っ!」
呼ばれて振り返ると、リョウが自転車に乗ってこっちに向かっている。

「あ〜なんだ。リョウか。おはよー」
「なんだってなんだよ!誰だと思ったんだよ――!」
――あ〜ダメダメ。怒っちゃダメだ‥
「お前、足怪我してるんだろ?後ろ乗れ」
やったー!と舞は荷台に乗る。
「リョウも、あたしが怪我してるの知ってたの?」
――だから〜、もってなんだよ、もって!
「――体育祭終わったあと見たから‥舞と藤堂先輩が一緒にいるの」
「あっあれはね、先輩が助けてくれて、それでえーっと、あたしは別にヘラヘラしてはなかったと思うんだけど‥」
舞はまたリョウに怒鳴られる気がして、必死になっていた。

「いいよ。いいよ。――そんな俺に弁解すんな‥
この間は悪かったな、言いすぎた‥」
「‥!もうなんだ〜。リョウ最近おかしかったから、まだ怒ってるのかと思った〜!」
舞は言いながらバンバン、リョウを叩いた。
――顔を見なかったら、コレくらい言える。


おとといの体育祭――
舞は捻挫して藤堂先輩に助けてもらい、そして二人きりの保健室で告白&デートに誘われたのだ。
そしてなんと!デートの誘いを受けたのだった。


「舞、お前藤堂先輩と付き合うのか?」
リョウは思い切って聞いてみた。
「そんな‥まだわかんないよ。――でも、ちゃんと考えることにした。」
「そっか‥」

舞はあの時のドキドキが忘れられないでいた。
――藤堂先輩は真剣に言ってくれたんだ。だからあたしもちゃんと考えないといけないんだ‥

それぞれの想いを乗せ、リョウの自転車は学校へ向かった。



「そっか〜‥」
茜ちんにも全てを話したらリョウと同じ反応だった。
「舞、よく一人で考えたね。大人になったんじゃない?」
茜はニヤニヤ笑っている。
「でしょ〜!昨日の休み、ずーっと考えてたんだから〜」
――本当にあれから先輩のことばかり考えている。

でも舞はそれがどういう事なのかまだ気付いていなかった。

――そういえば、今日はまだ先輩に会ってないな‥




結局、藤堂が舞の前に現われたのは次の日だった。
「足大丈夫?」
「はい、もうだいぶ。この間はありがとうございました」
舞はあの日のことを思い出してドキドキしていた。
「昨日も会いに行こうと思ったんだけど、なんか照れ臭くって‥」
藤堂はめずらしく顔を赤らめていた。


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