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詩を風にのせて
【ファンタジー 恋愛小説】

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詩を風にのせて 〜第2話 旅立ち〜-7

「それくらい予想できるに決まってる。一芝居打たせてもらったわ。それから貴方程度に気付かれずにゾンビ召喚器を無効にすることくらい簡単にできる」
リーシャはそれだけ言った。
「くっ…。覚えていろよ!」
男は魔方陣を描いて消えていった。
逃げたか。
リーシャはそう思い、一段落したのでユキたちのほうを見た。
レオの動きがおかしい。
体が腐ってきているようにも見える。
とうとうこの時が来たか…。
リーシャは険しい顔になった。


ユキたちは必死だった。
昨夜よりは再生力もないためなんとか倒せる。
ただ…。
ユキは違和感を感じていた。
何かがおかしい。
いや、「何か」ではない。明らかにレオの様子がおかしい。
レオの息はずっと上がっていて、だんだんと剣の振りが鈍くなっていく。足取りもおぼつかない。
「レオ、大丈夫か?」
「ああ、だい…じょ、う…」
そう言いかけてレオは倒れた。
サクラが駆け寄る。
「レオ!しっかりして!どうしたの?!」
サクラが揺すってもレオの反応はない。
それどころかレオの体はだんだんと腐敗してきている。
「ユキ、どうしよう…レオが…レオがぁ!」
「サクラ、落ち着け!」
サクラにそう言うのはいいもののユキにもどうしていいかわからない。
ゾンビは尚も襲ってくる。
レオが倒れたのでユキの負担は倍以上になる。
その刹那―
レオだったものがサクラの首を絞める。
「う…くるし…」
ユキは振りかえる。
「サクラ!」
ユキはレオだったものを斬ろうとする。
「だめ!」
サクラは声を振り絞る。
「どうして!」
「これは…レオなの…」
ユキは驚いた。そして辺りを見回す。
確かにレオがいない。
そしてサクラを締め付けているものは人とゾンビの中間の形をしている。
レオがゾンビになった…?
程なくしてユキの思考はそこに至る。
「くそ!どうすればいいんだよ!」
ユキは吐き捨てるように言った。
「レ、オ…好きだ、よ…」
サクラは笑顔で言って、抵抗しなくなった。どうやら意識を失ったようだ。
それでもこのままの状態なら間違いなくサクラは死ぬだろう。
ユキは迷った。
いや、なにを迷うというのか。
自分にはゾンビになっていく友を助ける術を持っていない。そうであるならばサクラを助けるのが最善であるのはわかっている。
ただ…。俺はアイツを斬れない。
「ユキ!」
リーシャが駆け寄ってくる。
「リーシャ、レオが…」
「わかってる」
「なら俺はどうすればいい?!」
頼みの綱だった。
リーシャがレオを助けられるなら…。
ユキは藁をもつかみたい思いだ。
リーシャは返事に詰まる。
「…やっぱり斬るしかないんだな」
ユキはなんとも表現し難い顔をしている。
「ユ、キ…俺を、斬れ!」
レオが言う。
ユキは悲しそうな目をレオに向ける。


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