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doll
【同性愛♀ 官能小説】

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doll U-2

 裕奈がお薦めするだけあって、智花の好きそうな服や雑貨がたくさんショーウィンドウにうつる。智花がその中の服に目を奪われているのを見て裕奈は智花の手を引いた。
『このお店気になるんでしょ。服見てみようよ』
 智花は遠慮気味だったけれど、裕奈につれられるままにその洋服屋の中に入っていった。
 智花は店内そのものを装飾していたような服に感嘆の声をあげる。そして思い思いの服を手に取り広げて見ていた。二人はお互いに似合いそうな服を考えていた。
『うわ。これ可愛い。裕奈。これとか裕奈に似合うって』
 智花は気に入った服を手に取る。後ろで違う服に見入っていた裕奈は振り向いた。
『うん。でも、まずは智花の服を探したいな。ほらこれとか、これとか、これとか。智花試着してきてみたら?』
 裕奈は籠いっぱいの服を持ち歩き言う。さっきから裕奈は智花の服ばかりを探していて自分の事は考えていないようだった。それでも裕奈は幸せそうだった。智花のために尽くす。そのことが幸せと裕奈は感じていた。
『裕奈ったらさっきからそればっかり。裕奈だってモデルみたいに綺麗なんだから、あたしの服ばかり選んでいちゃもったいないよ。その服だって裕奈のほうが似合うと思うのにな』
 智花は裕奈の溺愛ぶりに呆れる。正直智花からしてみれば裕奈は本当に美人だった。
 高校時代裕奈が告白された回数は両手で数えきれないほどあったのを智花は知っている。もちろん誰一人も裕奈と付き合うことができた人はいなかったみたいだけど。
 だから平凡な智花の友人として裕奈ほど自慢できる人はいなかった。そんな彼女が智花のことを可愛い可愛いと言ってくれるから智花はいつも嬉しくも恥ずかしい気持ちでいた。
『まあ、いいからいいから。とにかく試着してみよう』
 無邪気にはしゃぐ裕奈に背中を押され、智花は試着室に入る。智花が裕奈からすすめられた服を持って扉を閉めようとすると、裕奈がさも当然のように試着室に足を踏み入れかけていた。
『裕奈。何しているのよ』 あわてた調子で智花は裕奈に言う。
『何ってもちろん試着のお手伝い。あたしが智花の服脱がしてあげるからね』
 裕奈は智花があわてている様子すらも楽しんでいるようだった。
『馬鹿。それくらい自分でできるわよ。だいたいここ狭いんだから、裕奈は少し外で待ちなさい』
 裕奈がいじけたような表情を浮かべていたが、このままだと裕奈が試着室で何をしでかすか分からない。智花は裕奈を追い出すような形で扉を閉めた。

 智花はため息をつくと、諦めて服を脱ぎだした。裕奈のすすめてくれた服は確かに可愛くて、センスのいい裕奈ならではの服だった。上着の腕を通しながら鏡を見るが、智花にはもったいないくらいに見えた。
 服を着終えると智花は扉を開けて裕奈に見てもらった。
『裕奈。着たよ。どうかな』
 裕奈は目を輝かせてしばらく惚けた。自分の選択は間違っていなかったと思いとても満足そうな表情をしていた。
『やっぱり。この服は智花のために作られたものだね。思った通り。すっごく似合っているよ』
 相変わらずの裕奈のべた褒めに照れながら、智花はある異変に気付いた。
『ところで裕奈。かごの数増えている気がするんだけど。あたしの気のせいかな?』
 智花が試着するまでは裕奈は片手しかかごをもっていなかった。それが今では裕奈の脇には二つのかごに服が積まれていた。
『智花いいことに気付いたね。実は智花に似合いそうな服を探していたらこんなになっちゃった。智花。次はこれを試着してくれるよね?』
 裕奈の他意のない笑顔が智花には恐ろしく思え、気付いた時には彼女は何着もの衣服を脱いだり着たりするはめになった。
 智花自身も可愛い服をたくさん着ることができて楽いと思っていたが、それ以上に裕奈はまるであたしを着せ替え人形として楽しんでいるかのようだった
 裕奈は全部智花に似合っていて買ってあげるなんて言っていたけれど、智花はそんなことさせるわけもいかず一着だけ自分で買うことにした。


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